イトーヨーカドー西川口店の閉店跡地に何ができる？ロピア出店の噂や再開発の最新情報

4年間のご愛顧に感謝する貼り紙（イトーヨーカドー西川口店の入口に掲示された閉店告知）
イトーヨーカドー西川口店は、2025年2月24日（月）をもって最終営業日を迎え、50年近くにわたる歴史に幕を下ろしました。

この閉店は親会社であるセブン＆アイ・ホールディングスが進める構造改革の一環で、2024年8月28日付の発表により西川口店を含む全国5店舗を2025年2月末までに閉鎖する方針が示されたものです。

西川口店は1974年の開店以来、地域の大型総合スーパーとして親しまれてきましたが、経営環境の変化に伴い閉店が決定しました。

この背景には、イトーヨーカドー全体の業績悪化があります。イトーヨーカ堂（イトーヨーカドー運営会社）は直近8年間で800億円超の赤字を計上しており、親会社セブン＆アイがスーパー事業の抜本見直しに踏み切った経緯があります。

同社は中期経営計画で2025年度末までに店舗数を約33店舗削減し、2022年度時点の126店舗から93店舗へ縮小する目標を掲げており、西川口店の閉鎖もこうしたリストラ施策の一つです。

特に西川口店は、ディスカウント業態「ザ・プライス川口店」から再びイトーヨーカドー業態へと2020年12月に再オープンしたものの、再開業からわずか4年での閉店となりました。食料品を中心に地域密着型の品揃えで営業していた店舗でしたが、それでも収益改善には至らず、50年の歴史に幕を下ろす形となりました。

イトーヨーカドー西川口店跡地の再開発計画・今後の予定
1. ロピア出店の可能性と噂
2. 周辺地域への影響と住民の反応
他地域におけるイトーヨーカドー閉店跡地の活用事例

イトーヨーカドー西川口店跡地の再開発計画・今後の予定

イトーヨーカドー西川口店の閉店跡地に何ができる？ロピア出店の噂や再開発の最新情報

現時点で、イトーヨーカドー西川口店の跡地利用に関する公式な再開発計画は公表されていません。閉店後の店舗建物（西川口駅西口の大型商業施設内）は、引き続き他のテナントが営業を継続しています。

もともと西川口店は「西川口ショッピングセンター（西川口SC）」と呼ばれる複合商業施設の1階部分に入居しており、同じ建物内には家具店のニトリ（旧・島忠ホームズ西川口店）や家電量販店のケーズデンキがテナントとして併設されていました。

このため、西川口店の跡区画については新たなスーパーマーケットによる居抜き出店が有力視されています。

実際、同様に複合施設内にあった店舗では、閉店後に別の食品スーパーが後継テナントとして入るケースが多く、建物全体の再開発（建て替え）ではなく後継テナント募集による活用が見込まれます。

川口市や建物所有者から正式な発表はまだありませんが、地元メディアや業界ニュースでも「跡地活用に様々な計画が進んでいる」と報じられており、近隣住民も今後の動向に注目しています。

西川口店の場合、駅前という好立地で商業ポテンシャルが高いため、商業施設として継続利用される可能性が高いでしょう。具体的なテナント計画が明らかになり次第、行政や企業からアナウンスが行われる見通しです。

ロピア出店の可能性と噂

ロピア店舗の一例（越谷大里店）。ロピアは神奈川・関東圏を中心に急成長中の食品スーパーマーケットで、ボリューム感ある商品の品揃えと低価格戦略で人気を博している。西川口店跡への出店が噂されるロピアも、生鮮食品の鮮度や精肉の品質に定評があり、家族連れを中心に高い集客力を持つチェーンだ。

西川口のイトーヨーカドー跡地について、食品スーパー「ロピア」が新規出店する可能性が各方面で取り沙汰されています。実際に2025年春以降、イトーヨーカドー撤退店舗のいくつかでロピアが居抜き出店する計画があると報じられており、西川口店もその候補の一つと言われています。

「食生活♥♥ロピア」を掲げるロピアは関東で出店攻勢を強めている企業で、コストパフォーマンスの高さや大家族向けの大型パック商品などが強みです。川口市内には現在ロピアが未出店であることから、その空白地帯を埋める進出メリットは大きいとの指摘もあります。

もっとも、現段階ではロピア側から公式な出店発表は出ていません。ただ、業界紙の報道によればイトーヨーカドー跡へのロピア出店例は各地で相次いでおり、西川口店も有力候補と目されています。

例えば千葉県のイトーヨーカドー某店舗跡ではロピアを核とした新商業施設「CiiNA CiiNA（シーナシーナ）」がオープンする動きもあり、跡地活用として食品スーパーに転換する流れが注目されています。

西川口店についても、今後ロピアまたは他の大手スーパー（ヤオコー、トライアルなど）の出店計画が具体化すれば、速やかにニュースリリース等で周知されるでしょう。

周辺地域への影響と住民の反応

西川口店の閉店は、周辺地域の買い物環境や経済に少なからず影響を及ぼしています。まず日常的な買い物の利便性の面では、西川口駅西口エリアから食品スーパーが一つ消えることで、住民は代替店舗を探す必要に迫られました。

近隣には小型店の「ビッグ・エー」や生鮮食料品主体の「新鮮市場戸田店」などがあるものの、いずれもイトーヨーカドーほどの品揃え規模ではありません。

駅の反対側（東口）には東武ストアもありますが、距離があるため高齢者や車を持たない層にとって西口の大型店撤退は痛手となっています。

実際、閉店後は「まとめ買いのため隣駅まで出かける」「不便になった」といった声も聞かれ、開業予定の後継スーパーへの期待が高まっています。

経済的な側面では、商圏からの購買流出も懸念されます。大型店が撤退すると、その分の消費が他地域へ流れてしまうケースがあり、例えば福島市ではイトーヨーカドー閉店により年間90億円規模の経済損失が発生し、そのうち約64～67億円が市外流出するとの調査結果も報じられています。

西川口店の場合も、跡地に新たな集客施設が入るまでの間、川口駅前や蕨方面など他エリアの商業施設に顧客が流れる可能性があります。ただし、早期に後継スーパーがオープンすればこうした影響は一時的なものに留まるでしょう。

地域住民の声としては、長年親しまれた店舗への別れを惜しむ声が多く聞かれました。店舗入口には「4年間のご愛顧ありがとうございました」と記された張り紙が掲示され、最終営業週には感謝セールが行われる中、多くの買い物客が詰めかけました。

近隣に住む女性からは「西川口から親しみのあったハトのマーク（イトーヨーカドーの象徴）が消えるのは寂しい。生鮮品の鮮度も良く、お店がなくなるのは残念」といった声も上がっており、地域の生活インフラとして愛されていたことがうかがえます。

一方で、「次はどんなお店が入るのか」「便利になるなら歓迎したい」と今後の新店舗に期待する意見もあり、地元では跡地活用の行方が話題となっています。

他地域におけるイトーヨーカドー閉店跡地の活用事例

西川口店と同様に閉店したイトーヨーカドーの跡地では、各地で様々な再開発や後継店舗の事例が生まれています。全国的な傾向として、駅前・郊外を問わず商業ポテンシャルの高い立地では、新たな商業施設やスーパーへの転換が進んでいます。以下にいくつか代表的な事例を挙げます。

埼玉県蕨錦町店（旧イトーヨーカドー蕨店） – 店舗閉鎖後、ホームセンターのビバホームを核とする大型商業施設「ビバモール蕨錦町」がオープンしました。地域のホームセンター需要を取り込む形で活用されたケースです。
福島県いわき平店（旧イトーヨーカドー平店） – 建物をリニューアルし、地元資本による商業ビル「Paix（ペイ）Paixいわき平」として再生。衣料・雑貨テナントや飲食店を誘致し、街中のショッピングスポットに生まれ変わりました。
埼玉県加須店（旧イトーヨーカドー加須店） – 建物解体後の敷地にスーパーマーケットのヤオコー加須店が新規出店し、生鮮食品主体の地域密着型スーパーとして営業しています。ヨーカドーから食品スーパーへの業態転換により、買い物難民の発生を防いだ例と言えます。
群馬県伊勢崎中央店（旧イトーヨーカドー伊勢崎店） – 閉店後に店舗建物を活用し、ディスカウントストアのメガセンタートライアル伊勢崎中央店がオープンしました。24時間営業の大型店となり、夜間の需要も取り込んで地域の利便性向上に寄与しています。
北海道旭川店（旧イトーヨーカドー旭川店） – 跡地にこちらもディスカウント業態のメガセンタートライアル旭川店が開業し、広大な売場面積で日用品から食品までカバーする新たな買い物拠点となりました。
福島県郡山店 – 建物を所有するヨークベニマルが大規模改装を行い、2025年3月に**商業施設「ヨークパーク」**としてグランドオープンしました。食品スーパーや衣料品店、飲食店など計36テナントが入り、開店初日には約1000人の行列ができる盛況ぶりでした。地元資本が跡地再生を主導した成功例です。
埼玉県川口駅前店（ザ・プライス川口店） – 川口駅東口の旧店舗周辺は再開発事業として整備され、**地上28階建ての高層複合ビル「樹モールプラザ」**が2023年春に開業しました。低層階にはスーパーのマルエツや専門店街、上層階には住宅（プラウドタワー川口クロス）を配置した大型プロジェクトで、イトーヨーカドー閉店跡地を含むエリアが新たな街のランドマークとなっています。
北海道帯広店 – 建物所有者の日本甜菜製糖が商業施設「フレスポ・スズランプラザ」として再活用を進めており、1階に乳幼児～小学生向けの屋内遊戯施設を新設、フードコートも拡充して2025年夏の全面開業を予定しています。地方都市における大型店跡の新しい活用モデルとして注目されています。