ファッションの中心地、原宿。多くの若者から愛されてきたブランド「EATME(イートミー)」の原宿1号店が、11年の歴史に幕を閉じることが発表されました。モデル・タレントとして活躍する益若つばささんが設立したこのブランドは、原宿のファッションカルチャーを牽引する存在でした。
この閉店の報は多くのファンに衝撃を与えましたが、これはブランドの「終わり」ではなく、むしろ新たな「始まり」を意味しているのかもしれません。
なぜ愛された? 益若つばさが創り出した「EATME」の世界観

EATMEは、益若つばささんの独自のファッションセンスを凝縮したブランドとして、2014年に誕生しました。「マッシュアップ」というコンセプトのもと、フェミニンなシルエットにロックやグランジのテイストを融合させたスタイルは、従来のガーリーファッションとは一線を画しました。
益若さん自身がブランドのディレクターとして、一つひとつのアイテムにこだわり抜いた結果、EATMEの服は単なる洋服ではなく、「益若つばささんの世界観を纏う」ことそのものになりました。2021年に彼女はディレクターを退任しましたが、そのDNAは今もなおブランドに息づいています。
閉店は「終わり」ではなく「変化」のサイン?
今回の閉店について、EATMEの公式Instagramでは「近隣にイートミーの店舗が増えたことから、原宿店は役目を終えることとなった」とコメントしています。これは、原宿の旗艦店という「象徴」としての役割を終え、ブランドの販売戦略が次のフェーズへと移行したことを示唆しています。
近年、アパレル業界ではEC(電子商取引)市場の拡大が顕著です。多くの消費者がオンラインでのショッピングに移行し、実店舗は「販売」の場から、ブランドの世界観を体験する「ショールーム」へとその役割を変えつつあります。
例えば、アパレル企業は、実店舗を訪れた顧客がそこで試着した商品を、後日オンラインで購入できるようにしたり、逆にオンライン限定の商品を実店舗で体験できるイベントを開催したりしています。
今回の原宿店閉店も、こうした業界全体のトレンドを反映した戦略的な判断と言えるでしょう。つまり、店舗の存在意義を「販売拠点」から「ブランドのPR拠点」へと再定義し、より効率的な経営へとシフトしていると解釈できます。
閉店に寄せて…ファンが綴る「思い出」と「感謝」
閉店のニュースは、SNS上で大きな反響を呼びました。「初めてEATMEの服を買った思い出の場所」「原宿に行ったら必ず寄っていた」といった、閉店を惜しむ声が多数投稿されています。
特に、そのコメントの中には「青春そのものだった」「初めて働いたバイト代で買った」など、人生の節目とブランドが結びついているような投稿も多く見られました。
原宿の路地裏にひっそりと佇むこの1号店は、単なるショップを超えて、多くのファンにとっての「聖地」でした。
路面店ならではの独立した雰囲気と、ブランドの世界観が凝縮された内装は、足を踏み入れただけで特別な高揚感を与えてくれました。
憧れのブランドの服を実際に手にとり、試着する特別な体験は、ファンにとって忘れられない思い出となっています。
店内は、ただ服を買う場所ではなく、EATMEというカルチャーを体験し、共有するコミュニティの場でもあったのです。
EATMEのこれから:アイテムはどこで買える?
原宿店の閉店は寂しいニュースですが、EATMEというブランド自体がなくなるわけではありません。今後は、以下の店舗や公式通販サイトで引き続きアイテムを購入することができます。
- ルミネエスト新宿店
- 梅田エスト店
- 名古屋パルコ店
- EATME公式通販サイト
オンラインストアの利便性は、実店舗の営業時間や在庫に左右されることなく、いつでもEATMEの最新アイテムをチェックできる点にあります。
また、サイズ表やモデル着用画像、詳細な商品説明が充実しているため、自宅にいながらにして、じっくりと吟味して購入することが可能です。今回の閉店を機に、ブランドがオンラインでの体験をさらに充実させ、デジタル上でのコミュニティ形成にも力を入れていくことが期待されます。
EATMEの原宿店は閉店しても、ブランドの世界観は今後も様々な形で続いていくでしょう。これは、ブランドが原宿という特定の場所に留まらず、より幅広いファンとつながるための進化の第一歩なのかもしれません。
【追記】
益若つばさ、11年愛した「EATME」1号店閉店に複雑な胸中…「ニュースで知った」裏に秘めた想いとは
自身が立ち上げたブランドの“卒業”を、まさかニュースで知るとは思わなかった――。
モデルの益若つばささんが、Xで明かした胸中が話題を呼んでいます。彼女がかつてディレクターを務めたアパレルブランド「EATME」の原宿店が11年間の歴史に幕を閉じることが報じられ、益若さんはこの事実を「Yahoo!ニュースで知った」と告白しました。
閉店の背景と益若さんの関わり
「EATME」は25日、公式インスタグラムを通じて、8月末をもって原宿1号店を閉店することを発表しました。閉店の理由を「近隣にEATMEの店舗が増えたことで、皆さまにより快適にご利用いただける環境が整った」ためと説明しています。
この報道を受け、益若さんは自身のXを更新。「私はEATMEのディレクターを4年前に退任しています」と、すでにブランド経営から離れていることを明かしました。
「ニュースは少し誤解されやすい表現もありましたが、EATME自体はこれからも続いていきます」と、ブランドの継続を強調。多くの人に閉店の真意が正しく伝わるよう、丁寧に補足しました。
閉店、そして新たな始まり
「原宿本店1号店、11年間本当にお疲れ様でした。私にとっても思い入れのある大好きなお店」と、1号店への深い愛情を綴った益若さん。一時代を築いたブランドへの感謝とともに、長年支えてくれたファンにも「感謝です」とメッセージを送りました。
そして、この記事の最も重要なポイントとして、彼女は新しい挑戦を発表しました。
「せっかくなので発表!!益若つばさ、今年、新しいブランドを立ち上げます!!」
閉店という一つの時代の終わりは、彼女にとって新たな始まりの合図でした。
益若さんの感謝と未来へのメッセージ
11年にわたる歴史を終えるお店への感謝、そしてこれからも続くブランドへの温かい眼差しを願う益若さん。長年にわたりファッション業界を牽引してきた彼女が、新しいブランドで何を表現してくれるのか。ファンはもちろん、多くの人々がその発表を楽しみにしています。
「ニュースは誤解されやすい表現もありましたが、EATME自体はこれからも続いていきます」という言葉には、過去への敬意と、未来への強い希望が込められていました。