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自転車「青切符」制度 反則金はいくら?16歳以上対象 違反とルールを徹底解説

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2026年(令和8年)4月1日から、自転車の交通違反に対する「交通反則通告制度」(通称:青切符)が施行されます 。対象は16歳以上の運転者で、例えば「ながらスマホ」運転には12,000円、「右側通行(逆走)」には6,000円の反則金が課されることが明らかになっています 。   

この制度改正の背景には、多くの自転車利用者が「知らずに(あるいは軽視して)運転している」(Image 1)危険な現状があります。その結果として、自転車が関与する交通事故は看過できないレベルで増加しており 、国が事故抑止のために本格的な法改正に踏み切ったのが実情です。   

あなたが「いつも通り」行っている、スマートフォンの地図を見ながらの発進、イヤホンをしながらの運転、車道の右側走行、交差点での一時不停止(Image 2)… それら全てが、数千円から1万円以上の反則金対象となる時代が目前に迫っています。

本記事では、「なぜ今、青切符が導入されるのか」という背景から、「具体的な反則金一覧」「従来の赤切符との違い」、そして最も重要な「あなたが違反者にならないための具体的対策」まで、警察庁の公式資料 を基に専門家が徹底的に解説します。

なぜ今、自転車に「青切符」が導入されるのか?(導入の背景)

画像出典:産経新聞

結論から言えば、「(1)看過できない事故の激増」と「(2)従来の”赤切符”による取締りの限界」という、2つの深刻な問題が背景にあります。

第一に、事故の実態が深刻です。自転車が関与する交通人身事故の割合は増加の一途をたどっており、都内では交通事故全体の4割以上、令和4年には46.0%に達しています 。

特に、「自転車が第一当事者となる人身事故」が増加傾向にある  ことは、自転車側の違反が事故を誘発している実態を強く示唆しています。 第二に、こうした状況を受け、警察には「信号無視」「一時不停止」「右側通行」といった危険な自転車違反への取締り要望が、国民から多く寄せられていました 。   

ここで多くの人が疑問に思うのは、「なぜ警察は、これほど事故や要望  が増えているのに、これまで厳しく取り締まれなかったのか?」という点です。   

その答えは、従来の自転車取締り(=赤切符)の非効率性にありました。従来の取締りは、自動車の違反とは異なり、軽微なものであっても刑事手続き(赤切符)を前提としていました。これにより、取締りの現場では、処理時間が「40分~50分」もかかるという極めて非効率な実態があったのです 。   

この時間には、違反切符の作成に加え、刑事罰の証拠となる「供述調書」の作成(これだけで30~40分) が含まれます。さらに、違反者は刑事手続のため、平日に警察や裁判所へ出頭する必要があり 、違反者・警察双方の負担が膨大でした。   

この「40-50分」という数字が、「取締り非効率の負のループ」を生み出していました。

(1) 事故が増加  → (2) 国民が取締りを要望  → (3) 警察が取り締まろうにも、1件の処理に40-50分かかり、供述調書も必要なため、軽微な違反(信号無視など)を大量に処理できない → (4) 違反が横行(「どうせ捕まらない」) → (1) 事故がさらに増加… という悪循環です。   

新しい「青切符」制度(交通反則通告制度)では、反則金を納付すれば刑事手続きが免除されます。供述調書は原則不要となり、この現場処理時間が「10分~20分」に劇的に短縮されると見込まれています 。   

つまり、「青切符」導入の真の目的は、「罰金を取ること」ではありません。「取締りの効率を3~4倍に高めること」で、違反の確実性(違反すれば必ず捕まる)を高め、非効率な「赤切符」では打破できなかった負のループを断ち切り、事故 を本気で減らすことにあるのです。これは、日本の自転車利用における「社会契約」の根本的な見直しと言えます。

いくら払う? 2026年4月開始「自転車 青切符」の主な違反と反則金

新制度では、施行日が2026年(令和8年)4月1日と定められ 、これまで「マナー違反」として見過ごされがちだった多くの行為が、数千円から1万円を超える反則金の対象となります。   

交通の危険度に応じて、反則金額が設定されています。特に、事故に直結する危険度の高い違反は、反則金も高額に設定されています。

現在報道されている主な違反行為と反則金(想定)は以下の通りです。

違反行為(反則行為)反則金額(想定)該当する根拠資料
携帯電話使用等(ながらスマホ)12,000円※下記【参考文献】参照。
通行区分違反(右側通行・逆走)6,000円
信号無視6,000円
指定場所一時不停止5,000円
無灯火(夜間)5,000円
傘差し運転・イヤホン使用など
(安全運転義務違反)
5,000円
並進(並んで走る)3,000円

この一覧表  を分析すると、立法者の明確な意図が読み取れます。それは、「なぜ『ながらスマホ』だけが12,000円と突出して高額なのか?」という点です。   

この金額設定は、単なる「見せしめ」ではありません。警視庁が公開した「自転車乗用中死亡事故の特徴(2024年中)」 によると、自転車側の違反で最も多いのは「安全不確認」(28.0%)、次いで「動静不注視」(20.0%)、「交差点安全進行」(20.0%)です。

「ながらスマホ」は、まさにこの「安全不確認」と「動静不注視」の最たる具体例にほかなりません。

死亡事故原因の上位2つ(合計48%)に直結するこの行為に対し、立法者(警察)が「右側通行や信号無視(各6,000円)の2倍危険である」という明確なリスク評価を下した結果が、この12,000円という金額に表れています。

反則金は「罰」ではなく「リスクの可視化」です。特に12,000円の「ながらスマホ」は、死亡事故原因 の約半数に直結する最重要危険行為として、社会全体で認識を改めるべき段階に来ています。

「青切符」と「赤切符」の決定的違いとは?(制度の仕組み)

新制度を理解する上で、従来の「赤切符」との違いを知ることは不可欠です。最大の違いは、「青切符=行政処分(前科なし)」であり、「赤切符=刑事処分(前科あり)」である点です。

「青切符」(交通反則通告制度)とは、自動車やバイクで既に運用されている制度であり、比較的軽微な違反(反則行為) を対象にします。この制度では、違反者が反則金を納付すれば刑事手続き(裁判)を免除されます。

両者の違いを明確に比較します。

項目青切符(新制度)赤切符(従来・重大違反)
法的区分行政処分(簡易な手続き)刑事処分(裁判手続き)
前科つかないつく可能性あり
対象違反比較的軽微な違反
(ながらスマホ、信号無視、右側通行など)[7]
重大な違反
酒酔い運転、妨害運転など)
現場の処理10~20分程度(想定)40~50分程度(供述調書作成)
違反後の流れ反則金を納付すれば手続き終了警察・検察・裁判所への出頭が原則

この新制度には、利用者が陥りがちな「2つの落とし穴」が存在します。

落とし穴1:重大違反は「青」では済まない 新制度導入後も、「酒酔い運転」「酒気帯び運転」「妨害運転(あおり運転)」といった重大な違反は、青切符の対象外です。これらは従来通り、即「赤切符」(刑事罰)となります。今回の制度の導入は「緩和」ではなく、軽微な違反を効率的に取り締まるための「細分化」に過ぎません。

落とし穴2:青切符の無視は「赤切符」化する 「どうせ行政処分」と高を括り、交付された青切符を無視して反則金を未納にした場合、結局は刑事手続きに移行します。その場合、裁判所への出頭や、反則金より高額な「罰金刑」(=前科)が科されるリスクが生じます。

 新制度は「軽い違反は(効率的に)行政処分、重大な違反は(厳格に)刑事処分」というメリハリをつけたものです。ただし、「青切符」も無視すれば、赤切符と同じ「刑事罰」という結末を辿ることを理解すべきです。

あなたは大丈夫? 違反しないための「自転車安全利用五則」

12,000円の反則金  や死亡事故 を回避する最も確実かつ唯一の方法は、警察庁が定める「自転車安全利用五則」を徹底することです。   

この「五則」 は、単なるスローガンではありません。これは、今回「青切符」の対象となった違反(右側通行、信号無視、一時不停止、無灯火)を、網羅的に防ぐために設計された「法的シールド(防具)」そのものです。

「五則」が、いかに具体的に罰金と事故を防ぐかをマッピングします。

  1. 「車道が原則、左側を通行。歩道は例外、歩行者を優先。」
    • → これを守るだけで、以下の違反を回避できます:
      • 「通行区分違反(右側通行)」=反則金 6,000円    
      • 「歩道通行時の通行方法違反」
    • 解説: 道路交通法上、自転車は「軽車両」であり、「車のなかま」です。車と同じく車道の左側通行が絶対の原則です。
  2. 「交差点では信号と一時停止を守って、安全確認。」
    • → これを守るだけで、以下の違反を回避できます:
      • 信号無視」=反則金 6,000円    
      • 「指定場所一時不停止」=反則金 5,000円    
    • 解説: 死亡事故の56.0%は交差点で発生しています。このルールは、あなたの財布(合計11,000円)だけでなく、文字通りあなたの命を守る最優先事項です。
  3. 「夜間はライトを点灯。」
    • → これを守るだけで、以下の違反を回避できます:
      • 無灯火」=反則金 5,000円    
  4. 「飲酒運転は禁止。」
    • → これを守るだけで、以下の違反を回避できます:
      • 酒酔い運転」=赤切符(刑事罰)
  5. 「ヘルメットを着用。」
    • 解説: これは、反則金(青切符)の対象ではありませんが、事故時の致死率を激減させるための「五則」の最後の砦です。

複雑な道路交通法を全て覚える必要はありません。まずこの「五則」を徹底すること。それが、罰金と事故からあなた自身を守る、最も合理的かつ最善の策です。

まとめ:2026年4月、自転車利用の「常識」が変わる

2026年4月1日  から始まる自転車「青切符」制度は、「知らなかった」では済まされない、自転車利用の新しい常識です。   

12,000円  や6,000円  という反則金は、その行為が持つ「事故リスク」 を金銭的に可視化したものに他なりません。   

これまで「赤切符」が非効率(現場40-50分) だったために見過ごされてきた「ながらスマホ」や「右側通行」が、新制度(現場10-20分) によって、これからは確実に取り締まられる時代が来ます。

あなたの「いつもの運転」は、新制度の基準でも安全だと断言できますか? 本記事で解説した「自転車安全利用五則」 を今日から実践し、反則金や事故とは無縁の、安全で責任ある自転車利用を心がけてください。

※【参考文献】

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