2025年9月11日、原宿・表参道エリアに新たなランドマーク「原宿クエスト」が誕生します。旧施設の歴史を受け継ぎつつ、「Re: HARAJUKU CULTURE」をコンセプトに生まれ変わるこの複合商業施設は、ファッション、食、アート、そして新しい働き方まで、原宿の「今」と「未来」を再定義します。本記事では、OMA重松象平氏が手掛けた「デュアリティ(二面性)」を表現する建築デザインから、先行開業の「NIKE HARAJUKU」をはじめとする個性豊かなテナント、さらには営業時間やアクセス方法まで、新生「原宿クエスト」の全貌を徹底解説。原宿の新たな魅力を発見し、体験するための完全ガイドです。
はじめに:原宿の新たなランドマーク「原宿クエスト」が誕生

2025年9月11日、原宿・表参道エリアに新たなランドマークが誕生します。その名は「原宿クエスト」。1988年から長きにわたり原宿の文化を育んできた旧「原宿クエスト」が、建て替えを経て「Re: HARAJUKU CULTURE」をコンセプトに生まれ変わります。本記事では、この新生「原宿クエスト」がどのような施設なのか、その歴史から最新のテナント情報、そして建築デザインに込められた深い意味まで、徹底的に解説します。原宿の「今」と「未来」を象徴するこの施設が、どのように私たちのライフスタイルやカルチャーに影響を与えるのか、その全貌に迫ります。
「原宿クエスト」の歴史と新生への道のり
旧「原宿クエスト」が果たした役割
原宿クエストは、1988年(昭和63年)に、NTTグループの前身である電電公社の旧総裁公邸跡地に開業しました。開業当初から「Quest For The New Standard」をコンセプトに掲げ、アパレル店、カフェ・レストラン、多目的ホールなどを擁する複合商業施設として、原宿の流行発信地としての役割を担ってきました。特に、原宿クエストホールは、ファッションショーやイベント、展示会など、多岐にわたる文化的な活動の拠点となり、多くの人々に親しまれてきました。30年以上にわたり、原宿の移り変わりを見守り、その文化形成に深く貢献してきたと言えるでしょう。
建て替えの背景と新生「原宿クエスト」の基本情報
時代の変化とともに、原宿の街もまた進化を続けています。旧原宿クエストは、その役割を終え、2021年10月に閉館。そして、2022年10月に新たな施設の建設が着工され、2025年8月29日に完工しました。新生「原宿クエスト」は、地下2階から地上6階の高層棟と、地上1階の低層棟で構成され、延べ床面積は塔屋1階を含め、計7513.18平方メートルに及びます。この大規模な再開発は、単なる商業施設の建て替えに留まらず、原宿の新たな魅力を創造し、都市構造や人の流れの変化に対応するための重要なプロジェクトとして位置づけられています。
コンセプト「デュアリティ(二面性)」が織りなす空間体験

新生「原宿クエスト」の建築デザインは、オランダの建築設計事務所「OMA(Office for Metropolitan Architecture)」の重松象平氏が担当しました。彼が掲げたコンセプトは「デュアリティ(二面性)」。これは、フラッグシップストアが立ち並ぶ「表参道」と、個性的なショップやクリエイティブな空間が広がる「奥原宿」という、原宿エリアが持つ異なる二つの顔を融合させ、新たな価値を創造しようとする試みです。
OMA/重松象平が描く建築デザインの真髄
重松象平氏は、原宿クエストが位置する場所が、表参道と奥原宿の境界にあり、それぞれの街の個性が併存している点に着目しました。この「二面性」を建築に落とし込むことで、単なる商業施設ではなく、街と街、人と人をつなぐ「結節点」としての役割を持たせています。表参道側は、垂直性と透明性を意識したガラス張りの外観で、街路樹が映り込むことで、都市景観との調和を図っています。一方、奥原宿側へと続く空間は、より親密で多様な表情を見せる設計となっており、訪れる人々がそれぞれの「原宿」を発見できるような仕掛けが凝らされています。
原宿と表参道をつなぐ「パサージュ」と「アートスケープ」
新生「原宿クエスト」の大きな特徴の一つが、低層棟と高層棟の間に設けられた「パサージュ(敷地内通路)」です。このパサージュは、表参道から奥原宿へと自然な人の流れを生み出し、街全体の回遊性を高める役割を担っています。パサージュの先には、小規模な店舗や広場、そして「アートスケープ」が配置され、商業施設としての機能だけでなく、文化的な交流や新たな発見を促す空間が創出されています。また、パサージュ沿いや地階には、明治神宮の地層や植生を反映した素材を用いた「版築壁」が設けられており、原宿の歴史と自然を感じさせるデザインが随所に散りばめられています。
YOSHIROTTENが手がけるロゴデザインの秘密

新生「原宿クエスト」のロゴデザインは、グラフィックアーティストのYOSHIROTTEN氏が担当しました。彼のデザインは、施設のコンセプトである「デュアリティ」や「Re: HARAJUKU CULTURE」を視覚的に表現しており、原宿の多様性と進化を象徴するものです。ロゴ一つにも、原宿の過去、現在、未来が凝縮されており、施設全体のアイデンティティを形成する重要な要素となっています。
「Re: HARAJUKU CULTURE」を体現する個性豊かなテナント群
新生「原宿クエスト」の核となるのは、そのコンセプト「Re: HARAJUKU CULTURE」を体現する個性豊かなテナントのラインナップです。ファッション、食、アート、そして新しい働き方まで、多岐にわたるジャンルの店舗が集結し、原宿の新たな魅力を発信します。
先行開業!「NIKE HARAJUKU」の魅力と限定アイテム
9月11日の先行開業で注目を集めるのは、1階から3階にわたるスポーツアパレルブランド「NIKE(ナイキ)」の店舗「NIKE HARAJUKU」です。今年8月に同施設並びの路面店を一時閉店し、満を持しての移転リニューアルとなります。メンズ・ウィメンズ・キッズを対象に、ナイキとジョーダンブランドのスポーツパフォーマンスフットウエアやアパレル、ライフスタイルプロダクトを幅広く取り扱います。原宿というファッションとストリートカルチャーの中心地において、NIKEがどのような新しい体験や限定アイテムを提供してくれるのか、期待が高まります。
食と音楽の融合空間「The Tunnel」と多目的スペース「The Hall」
地下1階には、食と音楽を融合したレストラン「The Tunnel」(運営会社=en one tokyo)が出店します。防音システムを備えた高速道路のトンネルをモチーフにした空間は、単なる飲食の場に留まらず、音楽イベントにも対応する設計となっています。原宿の夜を彩る新たなエンターテイメントスポットとして、多様なカルチャーが交錯する場となるでしょう。同じくen one tokyoが運営する「The Hall」は、天井高4メートル、面積約300平方メートルのポップアップスペースとして、ショップや展示会、発表会、アートショーなど、様々なクリエイティブな活動に対応する予定です。ここから新たな原宿カルチャーが生まれる可能性を秘めています。
厳選されたコーヒーとクラフトビール「FUKURIN Coffee & Beer 原宿」
地上1階には、コーヒーや国産クラフトビールなどをテイクアウトで提供するコーヒースタンド「FUKURIN Coffee & Beer 原宿」(運営会社=福鈴)が出店します。原宿の街を散策する人々にとって、気軽に立ち寄れる憩いの場となるでしょう。厳選された豆で淹れるこだわりのコーヒーや、個性豊かな国産クラフトビールは、訪れる人々に新たな発見とリフレッシュを提供します。
アジア初直営店「SUNSPEL OMOTESANDO」が提案する上質
1860年にイギリスで創業したラグジュアリーブランド「SUNSPEL(サンスペル)」のアジア初直営店「SUNSPEL OMOTESANDO」(運営会社=SUNSPEL)も地上1階にオープンします。上質な素材と洗練されたデザインで知られるSUNSPELが、原宿・表参道というファッションの最先端の地で、どのようなブランド体験を提供してくれるのか注目されます。シンプルでありながらも本質を追求する彼らの哲学は、原宿の多様なファッションシーンに新たな風を吹き込むことでしょう。
唯一無二のドライフラワー体験「EW.Pharmacy Room106」
ドライフラワーショップ「EW.Pharmacy Room106」(運営会社=edenworks)は、富ヶ谷の「EW.Pharmacy」が移転オープンする形での出店です。ここでは、スタッフが顧客のカウンセリングを元に、好みの色味や花をセレクトし、唯一無二のアレンジメントを提供します。花を通じて個性を表現し、日常に彩りを与えるこのショップは、原宿のクリエイティブな感性と共鳴し、新たなライフスタイルを提案します。
老舗の味と新進気鋭の融合:天ぷら「ひさご」と台湾ミシュラン「富錦樹台菜香檳」
5階には、食の多様性を象徴する二つの店舗が出店します。一つは、1918年(大正7年)創業の天ぷら専門店「天ぷらひさご」(運営会社=ひさごコーポレーション)。日本の伝統的な食文化を継承する老舗の味が、原宿の新たな空間でどのように提供されるのか期待されます。もう一つは、台湾版「ミシュランガイド」で5年連続1つ星を獲得している台湾発レストラン「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」(運営会社=FUJIN TREE JAPAN)。台湾のモダンな食文化を原宿に紹介し、新たな食の体験を提供します。新旧、そして国内外の食文化が融合するこのフロアは、食の多様性を求める人々にとって魅力的な場所となるでしょう。
カジュアルフレンチの新境地「Pres de L’AS」
6階には、南青山で人気のフレンチ「L’AS(ラス)」の新業態「Pres de L’AS(プレ・ドゥ・ラス)」(運営会社=トランジットホールディングス)がオープンします。ラスの兼子大輔シェフ監修のもと、「カジュアルに楽しめる」フレンチを展開。平日のランチコースと、ディナーは旬の食材を使うフルコースを提供し、ラスのスペシャリテである前菜「フォアグラのクリスピーサンド」もラインアップされます。原宿の新たな景色を眺めながら、上質なフレンチを気軽に楽しめる空間は、特別な日の食事にも、日常のちょっとした贅沢にも最適です。
新しい働き方を提案するシェアオフィス・コワーキング
4階には、NTT都市開発が運営するシェアオフィス・コワーキングスペースが展開されます。これは、単なる商業施設に留まらず、多様な働き方をサポートし、新たなビジネスやクリエイティブな活動を促進する場としての「原宿クエスト」の側面を示しています。フリーランスやスタートアップ、あるいは企業のサテライトオフィスとして、原宿という刺激的な環境で働くことができるこのスペースは、ビジネスとカルチャーの融合を象徴する存在となるでしょう。
原宿クエストへのアクセスと営業時間、駐車場情報
新生「原宿クエスト」は、原宿・表参道エリアの主要駅からのアクセスが非常に良好な立地にあります。来訪者がスムーズに施設にたどり着けるよう、詳細なアクセス情報を提供します。
最寄駅からの詳細アクセスガイド
•JR原宿駅 表参道口より徒歩1分: JR原宿駅の表参道口を出て、目の前の大きな通り(表参道)を渡ると、すぐに原宿クエストが見えます。駅からのアクセスは非常に分かりやすく、迷うことはほとんどないでしょう。
•東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅 3番出口より徒歩1分: 明治神宮前駅の3番出口を出ると、目の前が表参道です。JR原宿駅と同様に、出口からすぐに施設を確認できます。
営業時間と休館日(最新情報)
現時点(2025年9月1日)では、施設全体の正式な営業時間は未発表です。ただし、先行開業する「NIKE HARAJUKU」は9月11日からオープンし、その他のテナントは11月以降順次オープン予定となっています。各テナントの具体的な営業時間については、今後、原宿クエストの公式サイトや各テナントのウェブサイトで発表される見込みです。最新情報は、お出かけ前に必ずご確認ください。
駐車場・駐輪場情報
原宿クエストには、来訪者向けの駐車場が完備される予定です。旧原宿クエストにも駐車場がありましたが、新生施設ではより利用しやすい環境が整備されることが期待されます。詳細な駐車台数、料金、利用時間、そして駐輪場の有無については、施設の正式オープンに合わせて発表される情報をご確認ください。特に車での来訪を検討されている方は、事前に確認することをお勧めします。
まとめ:原宿クエストが創る未来の原宿カルチャー
新生「原宿クエスト」は、単なる商業施設ではなく、原宿の歴史と未来、そして多様なカルチャーが交錯する新たな拠点となるでしょう。OMAの重松象平氏による「デュアリティ(二面性)」をコンセプトとした建築デザインは、表参道の洗練された雰囲気と奥原宿のクリエイティブなエネルギーを融合させ、訪れる人々にこれまでにない空間体験を提供します。また、「Re: HARAJUKU CULTURE」を掲げ、NIKE HARAJUKUをはじめとする個性豊かなテナント群は、ファッション、食、アート、働き方といった多角的な視点から、原宿の「今」を再定義し、新たなカルチャーを創造していきます。
原宿クエストは、情報収集の場としてだけでなく、実際に足を運び、その空間を体験し、テナントが提供するサービスや商品に触れることで、その真価を発揮します。この施設が、原宿を訪れるすべての人々にとって、新たな発見と感動、そしてインスピレーションの源となることを期待します。ぜひ、新生「原宿クエスト」に足を運び、あなた自身の「Re: HARAJUKU CULTURE」を見つけてください。
7. 参考文献・関連リンク
•表参道沿いの複合商業施設「原宿クエスト」、新生オープンへ ナイキ先行開業 – Yahoo!ニュース
•複合商業施設「原宿クエスト」9月11日開業 駅近・表参道沿い – Watch Impress
•表参道沿いの複合商業施設「原宿クエスト」、新生オープンへ – シブヤ経済新聞