札幌市西区・JR琴似駅近くの商業施設「5588（ゴーゴーハチハチ）」が、2025年6月30日をもって閉館することが決まりました。長年にわたって地域のランドマーク的存在として多くの人々に親しまれてきたこの施設は、日常生活に欠かせない買い物の場であり、待ち合わせや交流の拠点としても機能してきました。その閉店発表は、地元住民にとって衝撃とともに、琴似という街の“時代の節目”として受け止められています。
今や琴似エリアは、ロピアの出店などで新たな再開発フェーズに突入しており、商業地図が大きく塗り替えられつつあります。5588閉館によって空いたスペースは、今後どのような形で再生されるのか。街のにぎわいはどう変化していくのか。そして、地域住民の暮らしにはどのような影響を与えるのか──。
本記事では、5588琴似の閉店に至った背景をはじめ、再開発計画の可能性、街全体の変化、代替施設、さらには琴似という街の“住みやすさ”についても包括的に分析・解説していきます。琴似に縁のある方はもちろん、札幌市内の都市開発に関心のある方にも、ぜひご一読いただきたい内容です。
🏢 5588 琴似が閉店へ｜施設の概要と営業終了日
札幌市西区のJR琴似駅北口から徒歩わずか数分という好立地にある商業施設「5588（ゴーゴーハチハチ）」は、長年にわたって地域住民の生活に根ざした存在として愛されてきました。1980年代にオープンして以来、飲食店、専門店、クリニック、サービス業など多彩なテナントが入り、買い物だけでなく、健康管理や地域交流の場としても重宝されてきました。
中でも、地元住民の間では「ちょっとした買い物はまず5588で済ませる」という生活習慣が根づいており、特に高齢者層にとっては生活の“基盤”とも言える施設でした。子ども時代に家族と訪れた思い出があるという人も多く、まさに地域にとって“記憶の一部”となっていたのです。
しかし、2025年3月に運営会社から発表された内容によると、施設の老朽化や今後の維持費、そして商業施設としての役割の変化を受けて、「5588」は2025年6月30日をもって正式に閉館することが決定されました。すでに一部のテナントは退去を始めており、施設内では閉館準備が静かに進行しています。
「5588」という名称は、施設の所在地である琴似8条5丁目8番地に由来しており、オープン当初から“地域密着”を掲げたユニークなブランドとして定着してきました。このネーミングの親しみやすさも手伝い、看板を見れば誰もがすぐにその存在を思い出す──そんな琴似の象徴的な存在でもありました。
なお、現時点（2025年5月）では、閉館にともなう「さよならセール」や特別イベントの詳細は公式には発表されておらず、最後まで営業を続けるテナントの動きや今後の広報に注目が集まっています。閉店に対しては「寂しい」という声が圧倒的に多く寄せられており、地域住民の想いの深さを改めて実感させられる出来事となっています。
📉 なぜ閉店するのか？老朽化・テナント不足の現状
5588の閉店理由として最も大きな要因は、施設の「老朽化」です。開業から数十年が経過し、建物の構造そのものに加えて、空調や電気設備、水回りなどインフラ面での経年劣化が著しくなっていました。特に、耐震基準やバリアフリー設計においては現代の法基準との間に大きな隔たりがあり、今後も安全に運営を継続するためには、大規模な補修・改修工事が避けられない状況にありました。こうした改修には数億円単位のコストが想定され、採算性の面からも困難であったことが背景にあります。
それに加えて、近年は「テナント不足」という経営上の深刻な問題も浮上していました。大型ショッピングモールの台頭やインターネット通販の普及により、中小規模の商業施設にとっては集客力の維持が難しい時代となっています。5588でも、長年営業してきたテナントが相次いで撤退し、新たな出店が思うように進まない状況が続いていました。フロアの一部では空きテナントが目立ち、来館者数の減少に歯止めがかからない状態でした。
周辺環境の変化も影響しています。5588から徒歩圏内には、イオン札幌琴似店やラッキー琴似店といった競合スーパーが長年営業しており、さらに2025年にはロピア琴似店という全国展開型のディスカウントスーパーが新規参入。これにより、5588の競争力は一段と低下しました。買い物客の流出が加速し、かつての“地域の拠点”としての存在感は徐々に薄れていきました。
結果として、施設の維持費や光熱費、人件費などの固定コストが増大する一方で、テナント収入や集客による売上は減少し、収支のバランスが完全に崩れたことで、今回の閉館という決断に至ったと考えられます。これは単なる建物の終わりではなく、琴似という街の商業構造の変化を象徴するひとつの転換点とも言えるでしょう。
🏗 閉店後の跡地はどうなる？再開発計画の可能性
現時点（2025年5月）では、5588の跡地に関して正式な再開発計画は札幌市や運営会社から発表されていません。しかし、JR琴似駅から徒歩圏内という立地の良さ、そして琴似エリア全体が今再編期に入っていることを踏まえると、再開発が進む可能性は非常に高いと見る専門家や不動産関係者の声が多く挙がっています。
札幌市では近年、老朽化した中規模商業施設を取り壊し、跡地にタワーマンションや商業複合施設を新設するケースが相次いでいます。たとえば南区や中央区の駅前再開発では、分譲型マンションの下層階にスーパーマーケットやドラッグストア、医療機関を併設した複合施設が続々と誕生しており、これが“地域の再生活性化”につながっています。
琴似においても、5588の跡地は住宅・商業両面からの開発ニーズが非常に高く、今後以下のような再開発案が現実化する可能性が考えられます：
- 中高層マンション（分譲・賃貸）＋低層階に商業テナント（例：コンビニ、調剤薬局、保育園）
- 地域密着型の医療・介護施設を併設した高齢者向け複合住宅
- 子育て世帯や単身者も対象とした公共住宅＋地域交流スペース
- 新たなショッピング施設としての再生＋周辺商業施設との相乗効果を狙う構成
また、5588が長年にわたり地域と密接な関係を築いてきたことから、仮に再開発が実施される場合でも、“住民参加型”のまちづくりが期待されます。たとえば、住民ワークショップや意見交換会を通じて地域ニーズを反映した再開発が進めば、より長期的に愛される施設の再生につながるでしょう。
琴似エリアはJRと地下鉄の2路線が利用可能で、交通アクセスが非常に良好です。近年はロピア琴似店をはじめとした新たな商業施設の開業が続いており、街全体の再活性化に向けた動きが加速しています。5588の跡地がどのように生まれ変わるかによって、琴似の街並みや住環境が一層進化する可能性も高まっています。
このように、閉店は“終わり”ではなく“始まり”の一歩。5588跡地の未来は、琴似という街の次なるステージを占う鍵を握っていると言えるでしょう。
🛍 閉店後の買い物はどこで？代替施設と利便性
5588の閉店により、日常の買い物に不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、琴似エリアは札幌市内でも特に商業施設が密集している地域のひとつであり、徒歩圏内に複数の買い物スポットが存在していることから、利便性は依然として非常に高い水準を維持しています。
まず最も注目されるのが、2025年にオープンした「ロピア琴似店」です。かつてのイトーヨーカドー琴似店の跡地に誕生したこの大型ディスカウントスーパーは、「圧倒的な品揃えと低価格」を掲げて開業初日から長蛇の列を作り、地元住民から瞬く間に支持を集めました。特に精肉や青果、惣菜などの生鮮食品が充実しており、まとめ買い需要や家族世帯のニーズをしっかりと捉えています。
このほかにも、長年地域に根ざして営業してきた「イオン札幌琴似店」や「ラッキー琴似店」などの老舗スーパーが健在で、日常的な買い物ニーズに幅広く対応しています。どちらの店舗も食品だけでなく衣料品や日用品、サービスカウンターも設置されており、利便性の面では非常に心強い存在です。
さらに、「まいばすけっと」「東光ストア」などの中小型スーパーが複数点在しており、仕事帰りの“ちょい買い”や急な買い足しにも便利な環境が整っています。加えて、ドラッグストア（ツルハ・サツドラ）や100円ショップ（ダイソー・キャンドゥ）、駅前のバスターミナル近くにある複数のコンビニエンスストアも日常生活を支えるインフラとして機能しています。
高齢者や車を持たない単身世帯にとっても、徒歩圏内であらゆる買い物を完結できるというのは大きな利点です。とくに琴似エリアは平坦で歩きやすく、歩行者や自転車に優しい街路整備がされているため、天候の悪い日でも安心して買い物に出かけることができます。
このように、5588の閉店により一部の買い物機能が失われるのは事実ですが、地域全体の商業バランスを見れば、むしろ選択肢は以前よりも充実してきていると言えるでしょう。「買い物難民」のような深刻な事態が発生する可能性は低く、今後も琴似は“生活に便利な街”としてその地位を保ち続けると見られます。
🏘 琴似は住みやすい？街の変化とこれからの暮らし
琴似は、札幌市内でも特に交通利便性が高く、世代を問わず幅広い層に人気のある住宅エリアとして知られています。JR琴似駅と地下鉄東西線琴似駅の2つの主要路線が交差するこの地域は、札幌中心部へのアクセスが非常にスムーズで、通勤・通学はもちろん、買い物や外出の際にも利便性の高さが実感できます。特に、雪の多い札幌において交通手段が選べることは大きな安心材料となっています。
また、商業施設、医療機関、教育施設がコンパクトに集積している点も魅力のひとつです。地域内には保育園、小中学校が充実しており、子育て世帯にとっても環境の整った場所と言えるでしょう。図書館や児童館、地域交流センターなど、親子で利用できる公共施設も徒歩圏内に多数点在しており、週末の過ごし方にも困りません。
さらに、高齢者にとっても暮らしやすい環境が整っています。医療機関の数が多く、内科や整形外科など日常的に必要な診療科目にすぐアクセスできる点は安心につながります。また、琴似は比較的フラットな地形で歩きやすく、バス路線や地下鉄駅からの距離も短いため、移動のしやすさが高齢者にとっての生活快適度を高めています。
近年では、マンションや戸建住宅の新規開発も活発に行われており、若年層から中高年層までの新たな住民が流入しています。人口の増加は地域の活力を高め、飲食店やカフェなどの小規模店舗の出店も増えつつあります。まちのにぎわいが再び広がりつつある現在、5588の閉店は一時的な空白を生むものの、それを契機に新たな施設や空間が生まれる可能性が高いと見られています。
実際に、ロピア琴似店の出店などをきっかけとして、琴似の商業構造は再構築されつつあり、利便性のさらなる向上と街の魅力強化が期待されています。再開発によって生活環境がアップデートされれば、居住満足度もより一層高まることでしょう。
このように琴似は、アクセス・生活機能・教育・医療といった暮らしの基本がバランスよく揃ったエリアです。今後の都市整備と再開発によって、“暮らしの拠点”としての魅力はさらに増していくと考えられます。
🔗 関連記事・周辺エリア情報
以下は、琴似エリアや5588閉店に関連する注目記事です。琴似周辺の街の変化やスーパー事情、再開発計画に興味がある方はぜひあわせてご覧ください。
- 【ロピア琴似店がオープン】スーパー激戦区の札幌・琴似で暮らす魅力と地域経済の変化を完全解説
- 【琴似は住みやすい？】再開発と交通利便性から見る注目エリアの魅力とは？
また、今後も琴似エリアの商業施設や再開発に関する最新情報を随時追記・更新していく予定です。
✅ まとめ｜5588閉店後の琴似はどう変わるのか？
長年にわたり地域の生活を支えてきた「5588」の閉店は、琴似の街にとって単なる施設の終焉ではなく、大きな転換点となりました。地域住民の多くがこの施設を“生活の一部”として利用していたことを考えると、今回の閉館は寂しさと同時に、今後の街の在り方を見直す契機とも言えるでしょう。
施設の老朽化やテナント不足といった課題があったとはいえ、地域密着型の商業施設として数十年にわたり多くの人々に親しまれてきた役割は非常に大きく、買い物・交流・健康管理など多様な機能を果たしてきた点でも、地域にとって象徴的な存在でした。
しかし閉店は、新たな時代の幕開けでもあります。琴似エリアでは近年、ロピアの進出をはじめとする商業再編が加速しており、再開発や住宅地の再整備などにより街の構造が目に見えて変化しています。今後、5588の跡地にどのような新しい施設が生まれるのか──それは単なる建て替えではなく、「琴似らしさ」を次世代につなげる重要なプロジェクトになると考えられます。
琴似はJRと地下鉄のダブルアクセス、充実した買い物環境、医療・教育インフラの整備といった条件を兼ね備えており、住環境としてのポテンシャルも高いエリアです。今後のまちづくりでは、多世代が共に暮らしやすい街を目指す視点や、地域住民の声を反映した“参加型開発”がカギとなるでしょう。
5588の閉店は「過去への感謝」と「未来への期待」が交錯する象徴的な出来事です。街の顔とも言える存在を失った今こそ、琴似の街はもう一度自らの魅力を再定義し、次の世代へと受け継ぐ新たな一歩を踏み出す時期に差し掛かっています。
地域に寄り添いながら、時代の変化に柔軟に適応していく琴似の姿に、今後も継続して注目していく必要があるでしょう。
