2025年12月時点、首都圏の食品スーパーマーケットは大きな転換期を迎えています。
これまで地域の中心だった イトーヨーカドー や 西友 のような総合スーパー(GMS)が、閉店や縮小を進める一方で、神奈川県発祥のディスカウントスーパー ロピア(運営:OICグループ) が急速に存在感を高めています。
2025年のロピアは、
- 居抜き出店の拡大
- M&A(買収)による店舗網の獲得
という2つの方法を積極的に使いながら、勢力を伸ばした1年でした。
本レポートでは、
- 2025年11月にオープンした「ロピア 町田多摩境ミスターマックス店」
- 東京都内の基盤づくりにつながる「スーパーバリュー買収」
- GMS撤退跡地を再活用する「CiiNA CiiNA構想」
を軸に、ロピアの東京進出の現状と2026年への展望を整理します。
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2025年冬 — ロピアの「東京包囲網」はどこまで進んだか
- ロピア店舗情報公式【2025年12月現在】
- ロピア閉店情報:

最新の出店動向:町田多摩境の変化
2025年11月27日、町田市小山ヶ丘の
「ミスターマックス町田多摩境ショッピングセンター」 に、
ロピア 町田多摩境ミスターマックス店 がオープンしました(営業時間 10:00〜20:00)。
この区画は、以前 フードワン多摩境店 が入っていた場所で、2025年5月の閉店後は空きテナントのままでした。ロピアはその跡地を活用し、地域の新しい買い物拠点として再整備したことになります。
すぐ近くには、既存店である ロピア ミウィ橋本店 があり、その距離はおよそ 1〜2km。一般的な小売業では「近すぎる」と判断されることが多い距離です。
しかしロピアは、
- ロードサイド型(駐車場あり)
- 駅近型(駅直結の商業施設)
という “役割が異なる店舗” を並べることで、
徒歩・電車ユーザーと車利用者の両方を取り込む戦略 をとっています。
オープン当日は行列ができ、道路が混雑したという声もあり、地域の注目の高さがうかがえました。
→ 多摩境店の出店は、地域の多様な買い物ニーズを広く拾うための布石 と考えられます。
23区進出の「トロイの木馬」:スーパーバリュー買収
2025年10月、ロピアを運営する OICグループは、
食品スーパー スーパーバリュー に対する TOB(公開買付け) を開始しました。
スーパーバリューは東京都と埼玉県を中心に店舗を持っており、
もしロピア傘下に入れば、ゼロから土地を探す必要なく首都圏の店舗網を一気に広げられる という利点があります。
実際、2025年1月には スーパーバリュー練馬大泉店 がリニューアルし、
ロピアの特徴を取り入れた「ハイブリッド店舗」に変わった例もあります。
この流れが続けば、
2026年以降、東京都23区のスーパーバリューが “ロピア化” または “ロピア方式のスーパー化” する可能性 が出てきます。
→ ロピアにとってスーパーバリュー買収は、東京への本格進出を後押しする強力な一手 と言えます。
GMS崩壊の跡地を巡る争奪戦
GMS撤退と「CiiNA CiiNA(シーナシーナ)」構想
2025年、多くのGMSが採算悪化や方針転換により閉店しました。
こうした跡地の一部を、OICグループは 「CiiNA CiiNA(シーナシーナ)」 として再開発しようとしています。
CiiNA CiiNAは、
- コアテナントにロピア
- その周りに家電店やドラッグストア、専門店
を組み合わせた 複合商業施設モデル です。
これは単なる「スーパーの入れ替え」ではなく、
旧GMSの広い敷地を活かした、生活全般を支える拠点づくり を目指す取り組みです。
ただし、すべてのGMS跡地がCiiNAになるわけではなく、
他企業が入るケースも多いため、場所ごとの判断が必要です。
補足:ロピアと他スーパーのすみ分け
SNSなどでは「閉店GMS=ロピアになる」と言われることもありますが、実際にはもっと複雑です。
- ロピア:大容量・まとめ買い・肉が強い・価格訴求型
- 他スーパー:利便性・品質・日常使いに強いタイプも多い
このように“買い物の目的”によって、お店の役割が分かれています。
今後は 使い分けの時代 が来ると考えられます。
2026年に向けた OICグループの戦略と展望
新経営理念と「製造小売り」への転換
OICグループは2025年3月に、新たな経営理念
「おいしいは、人が生きる力」
を掲げました。
背景には、小売業だけでなく、
生産・加工・販売を一体化する“製造小売業(SPA)化” の意識があります。
ロピアは
- 自社での肉の加工
- 全国からの仕入れ体制強化
- PB商品の開発
などを拡大しており、これが今後の差別化の軸になりそうです。
地方展開とその“首都圏への還流”効果
ロピアは首都圏だけでなく、地方のGMS跡地などにも進出しています。
中にはすでに 「CiiNA + ロピア」 がセットで動いている地域もあります。
こうした広いネットワークは、
首都圏の店舗にも全国の食材・加工品を届けやすくし、
“ロピアらしさ” の源泉 にもなっています。
2026年に注目される可能性のあるエリア
正式発表はないものの、現状から見ると
- 世田谷区や杉並区など住宅密集地のスーパーバリューが“ロピア化”する可能性
- 旧GMS跡地・倉庫跡地のCiiNA化
- ロードサイド型・都市型の併用による商圏の拡大
などが考えられます。
ロピア閉店なぜ???
まとめ:消費者側から見えるこれからの買い物
2025〜2026年は、私たちの「買い物の景色」が着実に変わっていく時期です。
ロピアの拡大は、ただ「安いスーパーが増える」だけでなく、
- 大容量でお得に買いたい
- 車でまとめ買いしたい
- 品質や鮮度にもこだわりたい
といった さまざまなニーズを補い合う“役割の違うお店”が増えていく という意味もあります。
これからは「1つのお店で全部買う」のではなく、
目的に応じて使い分ける時代 がより強まっていくでしょう。






