金町駅北口で進む大規模再開発「クロス金町」プロジェクト。その中核を担う商業施設「MARK IS 葛飾かなまち」が、ついに2025年夏に開業予定となりました。東京都初進出となる「MARK IS」ブランドの新施設には、ヨークフーズをはじめとした約50店舗が出店予定。この記事では、開業時期や施設構成、旧イトーヨーカドー金町店との関係、そして地域に与える影響まで、わかりやすく解説します。
MARK IS葛飾かなまちはいつオープン?【結論:2025年7月予定】

MARK IS葛飾かなまちは、2025年7月中旬の開業を予定しています。開業の正式発表は2024年時点でなされており、周辺地域ではすでに期待の声が高まっています。
この商業施設は、金町駅北口西側で進行中の再開発「クロス金町」の第1期事業に位置づけられており、再開発の中でも先行して開業する拠点施設です。駅からの動線が整備され、アクセス性が高い立地にあることから、地域住民はもちろん、駅利用者の新たな生活拠点としての役割が期待されています。
出店予定の約50店舗には、日常の暮らしを支える業態が多数予定されています。具体的には、1階にヨークフーズやドラッグストアなど食品・医薬品関連の店舗が配置され、2階には衣料や生活雑貨、3階にはアミューズメント施設やファミリー層向けのフードコートが設置予定。また、4階には長年地域で親しまれてきた金町自動車教習所が移転・再オープンし、若者の利用も見込まれます。周辺では歩行者空間の整備も進んでおり、施設全体が「通いやすく、使いやすい」商業エリアとなる見込みです。
これらの計画は順調に進行しており、施設は2025年夏の開業をめざしてラストスパートに入っています。金町の街に新たなにぎわいと利便性をもたらすランドマークとして、今後ますます注目される存在になるでしょう。
MARK IS葛飾かなまちの特徴は?【東京都内初のMARK IS施設】

■計画概要
所在地:東京都葛飾区東金町1-3700(地番)
参加組合員:三菱地所、三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャル
敷地面積:2万4755m2
建築延面積:約15万9310m2
建ぺい率:約76%
容積率:約452%
用途:店舗、公益施設、住宅、住宅棟店舗、施設駐車場、自動車教習所、公共駐輪所
規模・構造:鉄骨造地上5階地下1階(1期)、鉄骨造地上4階地下1階(2期)
高さ:商業棟約28m(1期)、商業棟約28m・住宅棟約150m(2期)
着工:2022年10月(1期)、2026年8月(2期)※予定
完成:2025年7月中旬、2030年11月(2期)※予定

東京都で初めての「MARK IS」ブランド施設
MARK ISは、三菱地所が全国展開する基幹商業施設ブランドのひとつで、都市の生活拠点として高い評価を得ています。これまでに静岡、横浜・みなとみらい、福岡ももちの3地域に展開されてきましたが、葛飾かなまちは第4号として、東京都内での初出店となります。都市型商業施設としての機能性と、地域密着型の柔軟性を兼ね備えているのが特徴です。これにより、都内のベッドタウンである金町に新たな商業の核が誕生することになります。
「金町プロムナードマーケット」が施設コンセプト
コンセプトとして掲げられている「金町プロムナードマーケット」は、単なる買い物の場にとどまらず、散策の延長でふらっと立ち寄れる“ぬくもりのあるマーケット”の創出を目指しています。施設全体が緑やベンチを取り入れた開放的な設計になる予定で、日常の買い物や食事のついでに、自然に交流が生まれる空間づくりが意識されています。「地商地消」をキーワードに、地域の中小事業者とのコラボレーションや、地元ならではの特色を活かした店舗展開も期待されています。
「かなまち」とひらがな表記に込められた思い
商業施設名において、「金町」をあえて“かなまち”とひらがなで表記した背景には、地域への親しみやすさを大切にする姿勢が込められています。ひらがなの柔らかさが、街や人々との距離感を縮め、地元住民にとっても観光客にとっても、心のハードルが下がる効果があると考えられています。また、小さな子どもや高齢者にとっても読みやすく記憶に残りやすいという観点から、誰にでも開かれた施設を目指すメッセージ性が感じられます。
イトーヨーカドー金町店の跡地はどうなる?【ヨークフーズとして復活】

49年間にわたって地元住民の生活を支えてきたイトーヨーカドー金町店は、惜しまれつつも閉店となりましたが、その跡地には「ヨークフーズMARK IS葛飾かなまち店」が出店することが正式に決定しています。従来のヨーカドーと同様に、地域に根ざした存在として新たなスタートを切ることになります。
MARK IS葛飾かなまちの開発において、ヨークフーズは核となるテナントとして重要な役割を担っています。特に生鮮食品、日配品、惣菜といった日常使いの食料品を提供することで、施設全体の集客力を底上げする存在となる見込みです。また、旧ヨーカドー時代に培った顧客基盤をそのまま引き継ぐことができる点も、商業的に大きな強みといえます。
新たなヨークフーズ店舗は、1階の最もアクセスしやすい場所に配置される予定で、広々とした売り場スペースに加え、セルフレジやスマートカートなど最新の設備を導入する計画です。さらに、地域の農産物を積極的に取り扱う「地産地消」コーナーや、健康志向の利用者に向けたナチュラル・オーガニック商品の充実も想定されており、今後の生活スタイルの多様化に対応したスーパーとしての進化が期待されます。
イトーヨーカドーの閉店により一時的に不便を強いられた地元住民にとって、ヨークフーズの復活は明るい話題です。地域密着型スーパーとして再スタートを切ることで、これまで以上に快適で利便性の高い買い物環境が提供されることになるでしょう。
フロア構成・出店テナントは?【生活密着型の50店舗が出店】

1階:食品・ドラッグストアゾーン
施設の顔とも言える1階には、日々の生活に欠かせない食料品や医薬品の販売エリアが設けられます。ヨークフーズを中心に、ドラッグストア(例:ココカラファイン)やベーカリー、青果専門店などが並ぶことで、仕事帰りの買い物もスムーズに完結。時短ニーズに対応した「お弁当・惣菜専門コーナー」や、高齢者や子育て世帯にも配慮したバリアフリーの買い物環境が整備される予定です。
2階:アパレル・雑貨・サービスゾーン
2階には、日常の暮らしを彩るアパレルショップや雑貨店に加え、リラクゼーションサロンや美容室などのサービス系店舗も予定されています。季節ごとのイベントスペースや、子ども向けワークショップなどが開催されることも想定されており、買い物に加えて「体験」や「交流」を提供する場としての役割が期待されます。
3階:フードコート&アミューズメントゾーン
このフロアは家族連れや学生に人気のゾーンとなりそうです。複数の飲食店が集まるフードコートでは、ファストフードやラーメン、和食・洋食のバリエーション豊かなメニューが楽しめるほか、座席スペースにはキッズエリアや電源付きテーブルなども設置される計画です。さらに、室内型のアミューズメント施設やプレイランドも展開され、天候に左右されずに遊べる環境が整います。
4階:金町自動車教習所が移転再開
4階には、かつて地域で親しまれてきた「金町自動車教習所」が移転し、現代的な設備で再スタートします。駅直結の立地により、通学の利便性が格段にアップ。最新の運転シミュレーターやオンライン講習システムの導入が予定されており、若者だけでなく高齢者講習なども対応できる柔軟なカリキュラムが提供される見込みです。
再開発「クロス金町」の全体像とは?【2030年まで続く長期計画】
「クロス金町」は、JR金町駅北口の西側に広がる約3.0haの敷地を対象とした、官民連携による再開発プロジェクトです。計画は2期に分かれており、第1期では商業施設「MARK IS葛飾かなまち」や自動車教習所が2025年夏に開業予定。第2期では住宅棟や公益施設の建設が行われ、最終的には2030年11月の完成を目指しています。
このプロジェクトの目的は、地域の再活性化と利便性の向上にあります。再開発区域は老朽化が進んだ建物や空き地が目立っていたエリアであり、今回の整備により、居住・商業・教育・憩いが一体化した都市空間へと再構築されます。
「クロス金町」という名称には、駅・東京理科大学・葛飾にいじゅくみらい公園という3つの象徴的なエリアが“交差(クロス)”し合いながら発展していく未来像が込められています。地域全体がつながり、歩いて暮らせる生活圏を実現するという都市構想が根底にあり、街の核としての機能だけでなく、コミュニティの形成や子育て支援、防災対応力の強化といった観点も重視されています。
また、住宅棟には多様な世帯構成に対応できる間取りが導入され、ファミリー層や単身者、高齢者まで幅広く受け入れられる都市型住宅が整備される予定です。教育・医療・福祉機能と連携した「複合型の生活圏」として、金町の都市機能は今後さらに進化していくことが期待されています。
地域の声と期待【暮らしやすさはどう変わる?】
「ヨーカドーが戻ってくるのは嬉しい。昔から慣れ親しんだ店舗だったので、復活するのは地元民にとってとても心強いです。特に高齢の家族がいる家庭では、徒歩圏内で食品が買えるのは本当に助かります」
「駅前のにぎわいが戻ってきそう。最近は夜になると人通りが少なくなっていたので、防犯面でもにぎやかになるのはありがたい。夜でも明るい雰囲気の商業エリアになってほしい」
「フードコートができるなら子連れにも便利。買い物の合間に気軽に食事ができるスペースはありがたいし、休憩場所としても重宝しそう。特に授乳室やキッズチェアの充実も期待しています」
「地域に開かれたベンチや芝生広場などもあると、高齢者や子育て世代が過ごしやすくなると思う。買い物以外の目的でも立ち寄れる“街のリビング”になってほしいです」
「学生が立ち寄れるようなリーズナブルなカフェや書店もできたらうれしい。地域の若者の居場所として期待しています。受験勉強や課題をやる静かなスペースがあると嬉しい」
「音楽イベントやマルシェなど、地元の文化や産業が発信される場所になると、子どもたちにとってもいい体験になると思います」
一方で、「交通量増加が心配。通勤時間帯や休日に車が集中して渋滞にならないか、近隣の道路環境が改善されるか不安」「治安は大丈夫? 夜遅くまで営業する店舗が増えると騒音や迷惑行為が起きるかも」といった懸念の声も聞かれ、利便性向上への期待とともに慎重な視点も見受けられます。商業施設の増加が地域のバランスをどう変えるのか、今後の運営や地域との協調に注目が集まっています。
今後の街の変化は?【住みやすさと都市機能の向上に注目】
金町駅周辺では、近年都市インフラや交通網の整備が進みつつあり、若年層やファミリー層を中心に新たな居住ニーズが高まりつつあります。特に再開発によって生まれる新しい商業施設「MARK IS葛飾かなまち」は、買い物・飲食・アミューズメントの機能が集約されていることから、暮らしの利便性を大きく押し上げる存在として期待されています。
また、商業施設と連携する形で周辺の歩行者空間や自転車道路の整備も進行しており、車に頼らない“徒歩圏で完結する生活”が実現しつつあります。こうした都市設計は、子育て世帯や高齢者にとっても住みやすさを実感できる要因になるでしょう。
さらに、ショッピングモールの誕生によって不動産需要が高まり、周辺マンションの価格や賃料が上昇傾向にあることから、不動産投資家や単身者の関心も集めています。賃貸市場の活性化が進めば、店舗スタッフや地元の若者が地域に定着しやすくなる循環が生まれ、地域コミュニティの厚みも増すと考えられます。
このように、金町エリアは「再び住みたい街」としての魅力を着実に取り戻しつつあり、今後の発展次第では葛飾区全体の評価にも波及効果があるとみられています。