名古屋駅が、5400億円を投じたかつてない大規模再開発計画に動き出しました。
名鉄百貨店や近鉄パッセの閉店、名鉄グランドホテルのリニューアルなど、名駅南エリアは今、変革期の入り口に立っています。
新たに建設される二棟の超高層ビル、セントレア直結の空港アクセスホーム、そして街全体をつなぐ歩行者ネットワーク構想──。
計画が進めば、名古屋駅周辺の風景と利便性は大きく変わることになるでしょう。
この記事では、「名古屋駅 再開発 計画」の全体像から、各施設の閉店・移転情報、未来の名駅エリアの姿まで、わかりやすくまとめてご紹介します。これからの名駅エリアを一緒に見ていきましょう!
🏙️ 名古屋駅再開発とは?5400億円規模の巨大プロジェクト
名古屋駅周辺が、かつてないスケールで生まれ変わろうとしています。
2025年3月、名古屋鉄道(名鉄)は「名駅南エリア」の大規模再開発計画を正式発表しました。
今回の再開発プロジェクトの特徴は、なんといってもその規模感。
開発費は約5400億円、敷地面積は約32,700㎡にも及び、名鉄百貨店本館から日生笹島ビルにかけて約400メートルのエリアが一体化されます。
建設されるのは、地上31階建て・29階建ての超高層ビル2棟。
これらのビルには、オフィス・商業施設・ホテルが入居予定となっており、名駅周辺のビジネス・観光・ショッピング拠点として、より大きな発展が見込まれています。
さらに、交通面でも大きな変化が。
名鉄名古屋駅の線路を2本から4本へ倍増し、セントレア(中部国際空港)へ直結する「空港アクセスホーム」が新設される計画です。
これにより、名古屋駅とセントレア間のアクセスが大幅に向上し、インバウンド観光やビジネス需要にも応える形となります。
開発対象となる施設には、長年親しまれてきた「名鉄百貨店」「近鉄パッセ」「名鉄グランドホテル」などが含まれており、それぞれの施設が再開発に伴い閉店・移転を予定しています。
街の景色も、暮らしも、交通も──。
名古屋駅は今、次の時代に向けて大きな転換点を迎えているのです。
🏢 名鉄百貨店・近鉄パッセ・名鉄グランドホテルの閉店・移転まとめ
今回の名古屋駅再開発プロジェクトにより、長年親しまれてきた主要施設も大きな転機を迎えます。
それぞれの動きについて、現時点で明らかになっている情報をまとめました。
🔷 名鉄百貨店|外商を軸に事業継続へ
東海エリアを代表する老舗「名鉄百貨店」は、2026年2月28日をもって現在の店舗を閉店します。
1954年に開業した「ターミナルデパート」の草分け的存在であり、長年にわたって名古屋駅の顔として愛されてきました。
再開発後、新たに建設されるビルに名鉄百貨店が再出店するかどうかは未定ですが、百貨店の強みである**外商事業(法人・富裕層向け販売)**は継続が決定しています。
外商部門専用の新施設が近隣に建設され、2025年5月にオープン予定です。
🔷 近鉄パッセ|再出店はなし、役割を終える
若年層をターゲットにしたファッションビル「近鉄パッセ」も、今回の再開発を機に閉店が決まっています。
1966年に「東海ストア名古屋店」としてスタートし、1998年に「近鉄パッセ」としてリニューアル。
長年、若者向けトレンド発信基地として親しまれてきました。
しかし、再開発後の新ビルには再出店しない方針が示されており、これにより近鉄パッセの歴史は一区切りとなります。
跡地はオフィスを中心とした施設へ転換される予定です。
🔷 名鉄グランドホテル|高級ホテルへ生まれ変わる予定
1967年開業の「名鉄グランドホテル」も、今回の再開発で大きく変貌を遂げる予定です。
もともとバスセンターと直結し、ビジネス・観光拠点として利便性に優れたホテルでしたが、
再開発後はハイブランドの高級ホテルとしてリニューアルオープンする計画が進行しています。
ホテルの名称が「名鉄グランドホテル」として残るかどうかは未定ですが、名古屋駅直結という立地を活かし、国内外の富裕層をターゲットにした施設運営が想定されています。
📈 名古屋駅周辺はどう変わる?再開発エリアマップと注目ポイント
名古屋駅の再開発では、単なるビルの建て替えにとどまらず、街全体の回遊性や利便性を大きく向上させることが目指されています。
再開発エリアの特徴と、注目すべきポイントをまとめました。
🔷 約400mにわたる一体型開発
今回のプロジェクトでは、名鉄百貨店本館から日本生命笹島ビルまで、約400メートルのエリアが一体的に開発されます。
これまでバラバラだった各建物が、連続した大規模空間として整備され、太閤通をまたぐ形で街がつながる設計になる予定です。
この一体型開発により、名古屋駅南エリアのイメージが一新されるだけでなく、徒歩での回遊もしやすくなり、商業・ビジネス・観光の各分野で新たなにぎわいが生まれることが期待されています。
🔷 2棟の超高層ビルが新たなランドマークに
建設されるのは、地上31階建てと29階建ての超高層ビル2棟。
それぞれ高さ約170メートルに達する予定で、名古屋駅前に新たなツインタワーが誕生します。
ビル内にはオフィスフロアや商業施設、高級ホテルが入る計画で、ビジネス街としての機能だけでなく、ショッピング・観光拠点としてもさらに進化することになります。
特にオフィスフロアについては、最新の耐震・環境性能を備えた「次世代型ビルディング」として整備され、国内外企業の誘致も見込まれています。
🔷 セントレア直結の空港アクセスホーム新設
名鉄名古屋駅には、セントレア(中部国際空港)に直結する新たな「空港アクセスホーム」も整備されます。
これにより、名古屋駅~セントレア間の移動がこれまで以上にスムーズになり、インバウンド観光客やビジネス出張者にとっての利便性が格段に向上します。
4本の線路化による鉄道輸送力の増強とあわせて、名古屋駅が「国際都市・名古屋」の玄関口としての役割をより強く果たすことが期待されています。
🛫 セントレア直結!新しい空港アクセスホームの設置計画
名古屋駅再開発における大きな目玉のひとつが、「空港アクセスホーム」の新設です。
この整備によって、名古屋駅と中部国際空港(セントレア)とのアクセスが劇的に向上することになります。
🔷 名鉄名古屋駅の線路倍増計画
現在の名鉄名古屋駅は、上下2本の線路しかなく、特にラッシュ時にはダイヤ調整が難しい状況にありました。
今回の再開発では、この線路を倍の4本に拡張し、より多くの列車がスムーズに発着できるように整備されます。
これにより、名古屋駅を発着する列車本数が増えるだけでなく、空港アクセス専用列車の運行効率も大幅に向上。
旅行者やビジネスパーソンにとって、よりストレスフリーな移動環境が実現します。
🔷 空港アクセス専用ホームが新設
拡張される新しいホームの中には、セントレア直結便専用の空港アクセスホームが設置されます。
これにより、名古屋駅から空港へ向かう列車は、他路線のダイヤに干渉することなく、より正確で快適な運行が可能になります。
空港アクセスホームの設置は、インバウンド(訪日外国人旅行者)対策にも直結する重要施策であり、
観光都市としての名古屋の競争力強化にも大きな効果が期待されています。
🔷 国際都市・名古屋への進化を加速
セントレアへのアクセス強化は、単なる交通利便性の向上だけにとどまりません。
世界各国から名古屋へ訪れるビジネス客・観光客がよりスムーズに中心市街地へアクセスできるようになり、
国際会議、展示会、観光需要の拡大にもつながると見込まれています。
再開発とあわせて「国際都市・名古屋」というブランディングがより強まることで、
経済面・文化面でも新たな成長サイクルが生まれるかもしれません。
🏢 新ビル概要(オフィス・商業施設・ホテル)と完成時期
名古屋駅南エリアに新たに誕生する2棟の超高層ビルは、単なる建物の建て替えにとどまらず、
オフィス・商業・宿泊といった多機能を融合した、次世代型の複合施設として開発されます。
ここでは、それぞれの施設構成や、完成までのスケジュールについてまとめました。
🔷 オフィスフロア|最新スペックで国内外企業を誘致
2棟のビルの中心機能となるのは、大規模なオフィスフロアです。
最新の耐震性能・環境配慮設計を採り入れた「次世代型オフィスビル」として整備される予定で、
国内の大手企業はもちろん、外資系企業の誘致も視野に入れられています。
ビル高はそれぞれ地上31階・29階、約170m級の高さを誇り、名古屋駅前に新たなシンボルとなるツインタワーが誕生します。
オフィスワーカー向けに、快適な共用スペースや最先端の通信インフラ環境も整備される予定です。
🔷 商業施設|名古屋駅直結の新たな買い物・食の拠点に
低層階には、ショッピングや飲食を楽しめる商業施設ゾーンが設けられます。
名鉄百貨店・近鉄パッセの閉店によって空白となる“名駅南側の商業空間”を新たに埋め、
名古屋駅直結という圧倒的な立地を活かした、にぎわい創出が期待されています。
飲食ゾーンについては、名古屋めしをテーマにしたエリアや、全国・海外の人気グルメ店の誘致も検討されており、
買い物客・観光客をターゲットにした賑わいの演出が予定されています。
🔷 高級ホテル|国際都市・名古屋の玄関口にふさわしい存在へ
さらに、2棟のうちの一部フロアには、ハイグレードな高級ホテルが入居する予定です。
名鉄グランドホテルのリニューアルも含め、ラグジュアリー志向の宿泊需要に対応し、
国際会議・ビジネス出張・富裕層観光客の取り込みを目指します。
ホテルブランド名や運営会社は現時点では明らかになっていませんが、
名古屋駅直結というロケーションを活かしたハイクラスな宿泊施設になることは間違いありません。
🔷 再開発スケジュール|完成は2040年代前半
新ビルの建設工事は、2027年度から順次着工予定となっています。
まず先行して、オフィスや商業施設の一部が8年後(2030年代半ば)に開業し、
その後段階的に施設を拡充しながら、2040年代前半に全面開業を目指すスケジュールです。
非常に長期にわたるプロジェクトですが、街の再編と進化がゆっくりと進むことで、
名古屋駅周辺の都市機能がさらに洗練され、成長していく姿が期待されています。
🚶♂️ 街の暮らし・交通・買い物はどう変わる?
名古屋駅の再開発プロジェクトは、ただビルが建て替わるだけではありません。
完成すれば、街の景色も、人々の暮らし方も、大きく変わることが予想されています。
ここでは、生活・交通・買い物といった身近な視点から、変化のポイントをまとめました。
🔷 街の景色|開放感ある歩行者ネットワークへ
今回の再開発では、名鉄百貨店本館から日生笹島ビルに至る約400mのエリアを一体化し、
建物同士がシームレスにつながる設計が採り入れられます。
また、太閤通をまたぐ歩行者デッキの整備も計画されており、
これまで分断されていた駅南側と笹島地区がスムーズに行き来できるようになります。
雨の日でも快適に移動できる歩行空間の整備により、
街全体に「開放感」と「回遊性」が生まれ、歩いて楽しめるエリアへと進化していきます。
🔷 交通アクセス|セントレア・新幹線・市内各地へスムーズに
交通面でも利便性は大幅に向上します。
名鉄名古屋駅の線路が倍増し、セントレア直結の空港アクセスホームが設置されることで、
中部国際空港への移動時間が短縮され、待ち時間のストレスも大幅に軽減されるでしょう。
また、名古屋駅自体が新幹線・在来線・名鉄・近鉄・地下鉄と多数の交通機関が交わるターミナルのため、
再開発によって人の流れがよりスムーズになり、市内各地へのアクセスもさらに快適になると期待されています。
🔷 買い物・レジャー|新たなショッピング・グルメ拠点が誕生
名鉄百貨店や近鉄パッセの閉店により、いったん空白ができるものの、
新しいビルには最新トレンドを取り入れた商業施設がオープンする予定です。
特に、飲食エリアでは「名古屋めし」や全国・海外の人気店を誘致する動きもあり、
地元の人だけでなく観光客にも楽しめる新たなグルメスポットとして注目されるでしょう。
ショッピング、グルメ、観光──。
「名古屋駅に来ればすべてが揃う」という新たな魅力が加わり、名駅エリア全体の活気も高まるはずです。
📅 再開発スケジュールまとめ|2027年着工~2040年代完成
名古屋駅南エリアの再開発プロジェクトは、非常に長期間にわたる計画となっています。
ここでは、現時点で判明しているスケジュールを、わかりやすく整理しました。
🔷 2025年|百貨店・ホテル・商業施設の閉店
- 2025年5月:名鉄百貨店外商施設が近隣ビルに移転オープン予定
- 2026年2月28日:名鉄百貨店本館が閉店
- 近鉄パッセ、名鉄グランドホテルも閉店・営業終了
再開発の準備に伴い、長年親しまれてきた施設が次々にその役割を終えるタイミングとなります。
🔷 2027年度|ビル建設工事 着工予定
- 2027年度:名鉄百貨店跡地などで、新ビル2棟の建設工事が本格スタート
- 太閤通をまたぐ大規模な都市整備もあわせて進行
建設工事は、名古屋駅の交通機能を確保しながら段階的に進められる予定です。
🔷 2030年代半ば|一部施設が先行開業
- 2030年代半ば:オフィスや一部商業施設、高級ホテルなどが順次オープン予定
名駅エリアのにぎわい再生に向けて、まずは主要なオフィス・商業ゾーンから稼働を開始します。
🔷 2040年代前半|全面開業・プロジェクト完了予定
- 2040年代前半:2棟すべてのビルが完成し、街全体の開発が完了
約15年以上にわたる大型プロジェクトを経て、名古屋駅南エリアは
国内外に誇る次世代型複合都市へと生まれ変わります。
🔵 まとめ|名古屋駅再開発で未来の名駅エリアはこう変わる!
名古屋駅南エリアで始まった5400億円規模の再開発プロジェクトは、
単なる建物の建て替えにとどまらず、名古屋の「街の未来」を大きく変える挑戦です。
名鉄百貨店や近鉄パッセの閉店、名鉄グランドホテルの高級ホテル化──。
誰もが一度は訪れたことのある施設が役目を終え、新たな時代に向けたリスタートが始まろうとしています。
街の景観は、連続する超高層ビルによって生まれ変わり、
交通面では名鉄線の倍増、セントレア直結ホームの新設など、都市機能も飛躍的にアップデート。
ショッピング、ビジネス、観光、暮らし──。
すべてのシーンで名古屋駅の利便性と魅力がさらに高まり、
「名駅エリア=日本屈指の都市拠点」としての存在感が一段と増すことが期待されています。
完成は2040年代とまだ先ではありますが、
この再開発によって、名古屋の未来は確実に動き出しています。
街の変化をリアルタイムで見守りながら、
新たな名古屋駅の姿に、これからも期待していきたいですね。