仙台市若林区に位置する「仙台ハーベストビレッジ」は、農業の6次産業化を目指した複合施設として注目を集めています。2024年3月から一部の店舗が順次オープンしていますが、ヨークベニマルや無印良品の開業時期はいまだ未定。
一方、六郷地区では2025年初めにスーパーマーケット3店舗が相次いで閉店し、地域住民の間では「どこで買い物をすればいいの?」という不安の声が広がっています。特に、車を持たない高齢者にとって、買い物環境の変化は大きな問題となっています。
本記事では、仙台ハーベストビレッジの開業スケジュールや、六郷地区のスーパー閉店の影響、そして住民の買い物を支える移動販売サービスの状況について詳しく解説します。
仙台ハーベストビレッジとは?

仙台ハーベストビレッジは、宮城県仙台市若林区上飯田に位置する、農業の6次産業化を目指した複合施設です。
6次産業化とは、生産(1次産業)・加工(2次産業)・販売(3次産業)を一体化させ、地域の農業を活性化する取り組みのことを指します。この施設では、地元産の農作物を活かした食品販売や、飲食店、体験型の施設が展開される予定です。
2024年3月13日には、「ブーランジェリーマルシェ ハーベストビレッジ沖野店」がオープンしました。ここでは、地元の小麦を使ったパンが販売され、地域住民の関心を集めています。同日、**苺の直売所「いちご屋燦燦園」**も営業を開始しました。こちらでは、新鮮な地元産のイチゴを購入できるほか、いちご狩りの体験イベントも開催されています。
さらに、2024年4月23日には、「利久食堂 ハーベストビレッジ沖野店」も開業しました。牛たん専門店として知られる「利久」が手掛ける定食スタイルの食堂で、地元食材を活かしたメニューが人気です。
しかし、施設全体の全面開業は遅れており、主要テナントである「ヨークベニマル」と「無印良品」の開業時期も未定のままです。仙台市は、早期の全面開業を目指して調整を進めていますが、現時点では具体的なスケジュールが発表されていません。
スーパー閉店で六郷地区の買い物環境はどうなる?
六郷地区で閉店した店舗
2025年1月から2月にかけて、仙台市若林区六郷地区では、生鮮食品を扱うスーパーマーケットや食料品店が3店舗閉店しました。この動きにより、地域住民の買い物環境が大きく変化しています。閉店した店舗は以下の通りです。
- フレッシュフードモリヤ沖野店(2025年2月閉店)
- プロマート(2025年1月閉店)
- 地域の食料品店(詳細非公開)
特に、「モリヤ沖野店」と「プロマート」は地元住民にとって重要な食料品購入先でした。これらの店舗が同時に閉店したことで、多くの住民が日常的な買い物に困る状況となっています。
住民の声「どこで買おう?」

六郷地区で3店舗が閉店したことにより、高齢者を中心に「どこで買い物をすればいいのか分からない」という声が増えています。
近隣に住む91歳の主婦・奥野なかよさんは、「両方とも閉まってしまい、これから野菜をどこで買おう」と不安を語っています。徒歩圏内で食品を購入できる場所が激減したことで、車を持たない高齢者や子育て世帯にとって大きな課題となっています。
また、閉店の影響を受けたのは高齢者だけではありません。共働き世帯にとっても、仕事帰りに立ち寄れるスーパーがなくなり、買い物の選択肢が減少。地域の消費行動に大きな影響を与えています。
住民の間では、
「六郷地区に新しいスーパーができるのか?」
「移動販売や宅配サービスを利用するしかないのか?」
といった疑問が広がっています。
六郷地区の移動販売サービス

スーパーの閉店を受け、移動販売が六郷地区の新たな買い物手段として注目されています。移動販売とは、トラックやバンを使い、地域を巡回しながら食品や日用品を販売するサービスです。
主なサービス内容
六郷地区で展開されている移動販売では、以下の商品が取り扱われています。
- 生鮮食品(野菜・果物・肉・魚)
- 加工食品(パン・おにぎり・弁当)
- 日用品(洗剤・ティッシュなど)
これにより、徒歩圏内にスーパーがない住民でも、必要な食料品を購入することが可能となります。
移動販売実施の背景
六郷地区の移動販売は、スーパーマーケットの閉店に伴い、買い物難民の発生を防ぐために開始されました。
特に、車を持たない高齢者にとっては、食料品を手軽に購入できる唯一の手段となるケースも増えています。
移動販売の事例
例えば、近隣のスーパーマーケットが「週に2回、指定エリアで移動販売を実施」するなどの対応を取っています。また、地域のNPO団体や自治体が協力し、移動販売を支援する動きも見られます。

六郷地区に新たなスーパーは出店するのか?
近隣で新規オープン予定の店舗
現在のところ、六郷地区内で新たなスーパーの出店予定は確認されていません。
ただし、一部住民からは「ハーベストビレッジ内のヨークベニマルが開業すれば状況が改善されるのでは」という期待も寄せられています。
スーパーの開業には時間がかかるため、現時点では移動販売や宅配サービスを活用するのが現実的な選択肢となりそうです。
仙台ハーベストビレッジの開業予定
いつ全面開業するのか?
仙台ハーベストビレッジは、2024年3月から一部の店舗が順次開業しているものの、全面開業の時期は依然として未定です。
特に、主要テナントとなる「ヨークベニマル」と「無印良品」の開業が決まっていないため、地域住民にとっては不便な状態が続いています。
仙台市は、早期の全面開業に向けて調整を進めていると報じられていますが、建設やテナント誘致の問題が関係している可能性があるため、具体的なスケジュールの発表が待たれます。
現在のテナント
仙台ハーベストビレッジでは、すでに以下のテナントが開業しています。
開業済みの店舗
- ブーランジェリーマルシェ ハーベストビレッジ沖野店(2024年3月13日開業)
- 地元産小麦を使用したパンが人気
- いちご屋燦燦園(2024年3月13日開業)
- いちごの直売所。いちご狩り体験も実施
- 利久食堂 ハーベストビレッジ沖野店(2024年4月23日開業)
- 仙台名物「牛たん」の定食を提供
未開業の主要テナント
- ヨークベニマル
- スーパーマーケットとして出店予定
- 無印良品
- 衣類・日用品・食品を扱う大型店舗になる見込み
これらのテナントがオープンすれば、六郷地区の買い物環境が大きく改善されることが期待されています。
まとめ
仙台ハーベストビレッジの現状や、六郷地区のスーパー閉店問題についてまとめると、以下のポイントが挙げられます。
- 仙台ハーベストビレッジでは、一部の店舗がオープンしているが、ヨークベニマルや無印良品の開業は未定のまま。
- 六郷地区では、2025年初めにスーパーマーケット3店舗が相次いで閉店し、住民が買い物に困っている。
- 特に高齢者を中心に、「どこで買おう?」という声が広がっている。
- 移動販売が一部で始まり、食料品の供給手段として活用されている。
- 現時点で六郷地区に新たなスーパーの出店計画はないが、ハーベストビレッジ内のヨークベニマル開業が期待されている。
六郷地区における買い物環境の変化は、地域住民の生活に大きな影響を与えており、今後の動向が注目されます。
ハーベストビレッジの全面開業や、移動販売の拡充が地域の買い物問題の解決につながるのか、引き続き最新情報をお届けします。