かつては「高級ブランドの殿堂」というイメージが強かった百貨店。
しかし近年、その姿は大きく変わりつつあります。
2025年現在、大阪を中心に百貨店とアニメ・ゲームコンテンツの融合が目立つようになり、
大丸梅田店や高島屋大阪店などでは、キャラクターショップや期間限定イベントが数多く展開されています。
「好きな作品のショップがいつ・どこで開催されるのかわからない」
「百貨店は広くて、効率よく回るのが難しそう」
そんな悩みを持つ方に向けて、本記事では
梅田エリアを中心に、難波・阿倍野まで含めた主要百貨店のキャラクター展開を整理し、
あわせて混雑を避けるコツや、百貨店ならではの楽しみ方をまとめました。
この記事を読み終える頃には、
これまで少し敷居が高く感じていた百貨店でも、安心して“推し活”を楽しめるはずです。
なぜ今、百貨店が「アニメ・ゲーム」に注力しているのか？
百貨店といえば、長らく「高級ブランド」「贈答品」「呉服」といったイメージが主流でした。
しかし現在、多くの百貨店でフロア構成や催事内容に変化が見られます。
背景には、大きく分けて3つの時代的な要因があります。
若者の百貨店離れを食い止める「IPの力」
日本百貨店協会の統計や各種業界レポートからも、百貨店業界が長期的な市場縮小局面にあることは広く知られています。
なかでも構造的な課題として指摘されてきたのが、若年層との接点の希薄化です。
ファッションや雑貨、日用品の購入先がECや大型専門店へと分散した結果、
「百貨店に行く理由そのものが思い浮かばない」という若い世代が増えている状況にあります。
こうした中で、近年あらためて注目されているのが、
『ちいかわ』『呪術廻戦』『にゃんこ大戦争』といった、世代を超えて高い認知度を持つIP（知的財産）コンテンツの存在です。
これらのキャラクターや作品を軸にした催事・ポップアップショップは、
- 作品ファンを明確な目的で呼び込める
- 「買い物」ではなく「イベント参加」という動機を作れる
- SNSでの拡散によって来店理由が可視化されやすい
といった点で、従来の百貨店催事とは異なる集客効果を持つとされています。
IP催事が百貨店にもたらす副次効果
（回遊・滞在時間・他売場への波及）
IPを活用した催事の効果は、イベント会場単体の売上にとどまるものではありません。
百貨店側が重視しているのは、来店後の行動変化にあります。
まず挙げられるのが、館内回遊の促進です。
IP催事は多くの場合、催事場や特設フロアで展開されますが、入場待ちや物販の前後に
「他のフロアも見てみよう」「せっかく来たから食事をしよう」といった行動が生まれやすいとされています。
特に、上階催事場への動線設計は、
- エレベーター前後の売場
- レストラン街やカフェフロア
- 期間限定ショップが並ぶゾーン
などへの自然な立ち寄りを促しやすく、結果として館内全体の回遊率向上につながるケースが見られます。
次に、滞在時間の伸長も重要なポイントです。
フォトスポットの撮影、展示の鑑賞、購入検討の時間などが加わることで、
一般的な買い物目的の来店と比べて、滞在時間が長くなる傾向があるとされています。
滞在時間が伸びることで、
- 飲食利用
- ついで買い・衝動買い
- 休憩目的でのカフェ利用
といった行動が誘発されやすくなり、直接的・間接的な売上機会が広がります。
さらに見逃せないのが、他売場への波及効果です。
キャラクター催事で来店した来場者が、
- 同フロアの雑貨・文具売場
- ギフト需要の高い菓子売場
- 親子連れによるファミリー向け売場
へ流れることで、本来ターゲットとしていなかった客層との接点が生まれる点は、百貨店にとって大きな意味を持ちます。
このようにIP催事は、
「売場単体で完結するイベント」ではなく、
百貨店全体の回遊・滞在・購買行動を底上げする装置的な役割を果たしていると考えられます。
訪日外国人にも支持される「日本発コンテンツ」
実際、キャラクターイベントをきっかけに
「これまで百貨店に足を運ぶ機会がほとんどなかった層が来店する」
という流れが生まれていることは、複数の商業施設で確認されています。
百貨店側にとってIPは、単なる一時的な話題づくりではなく、
新しい世代と接点を持つための“入口”として機能する存在になりつつあると言えるでしょう。
国内客だけでなく、訪日外国人観光客の存在も無視できません。
日本のアニメ・ゲーム・漫画は、海外でも高い人気を誇る分野です。
百貨店内の公式ショップは
- 正規品を安心して購入できる
- 免税対応が比較的スムーズ
といった点から、観光客にとっても利用しやすい環境だといわれています。
高級ブランド目的だけでなく、
日本ならではのキャラクターグッズをまとめて購入する場として
百貨店を訪れるケースも増えているようです。
「モノ」だけでなく「体験」を提供する場へ
ECサイトで簡単に商品が買える時代だからこそ、
リアルな店舗には「その場所でしか味わえない体験価値」が求められるようになっています。
百貨店のキャラクターショップは、単なる物販スペースではありません。
訪れた瞬間から作品の世界観に触れられるよう、空間づくりそのものが工夫されているケースが多く見られます。
- 作品の雰囲気や設定を意識した装飾・展示による没入感の演出
- SNS投稿を想定したパネルや背景など、記念写真を撮れるフォトスポット
- 百貨店や会場限定デザインのグッズ、特別仕様のショッパーなど、来場記念として残るアイテム
こうした要素によって、「商品を買った」という事実だけでなく、
「あの百貨店で、その空間を体験した」という記憶そのものが価値になります。
清潔で安心感のある施設環境、丁寧な接客、休憩スペースやカフェなどの充実した導線。
これらを含めた百貨店ならではの“体験の質”が、ECサイトとの差別化につながっているといえるでしょう。
【エリア別】今注目されているキャラクター展開のある百貨店
大阪・関西エリアでは、複数の百貨店がそれぞれ異なるスタイルでキャラクター施策を展開しています。
ここでは、代表的なエリアごとに特徴を整理します。
【大阪・梅田】大丸梅田店：キャラクターショップが集積する拠点
大阪・梅田エリアに位置する大丸梅田店は、近年キャラクター関連ショップの集積が進んでいる百貨店のひとつとして知られています。
館内の複数フロアに公式ショップや関連売場が配置されており、キャラクターコンテンツを目的とした来店でも回遊しやすい構成が特徴とされています。
特に上層階を中心に、ゲーム・アニメ系IPを軸としたショップがまとまって展開されている点は、他の百貨店と比べても特徴的です。
- 上層階を中心に、任天堂・カプコン関連などの公式キャラクターショップ
- ジャンプ作品をはじめとする人気アニメ・漫画キャラクターの専門店
- 開催時期によっては、別フロアや催事スペースで期間限定のキャラクター企画が展開されることもある
これらのショップが同一館内に集まっていることで、
「特定の作品目当てで訪れた来店者が、別のキャラクターショップにも立ち寄る」
といった自然な回遊行動が生まれやすい環境が形成されています。
また、梅田というターミナル立地も相まって、遠方から訪れるファンにとってもアクセスしやすく、効率的に巡れる拠点となっている点は大きな強みといえるでしょう。
【大阪・難波】高島屋大阪店：期間限定ポップアップが充実
大阪・難波エリアに位置する高島屋大阪店の特徴は、
催事スペースを活用した期間限定ポップアップショップの展開に力を入れている点にあります。
常設店舗を多く抱えるスタイルとは異なり、話題性やトレンド性を重視した企画を、一定期間ごとに入れ替える運営が行われている点が特徴とされています。
- アニメ・ゲーム・キャラクターなど、SNSで注目を集めやすい作品を中心に短期間で展開
- 開催ごとに売場レイアウトや装飾、展示内容が変わるため、訪れるたびに印象が異なる
- 会場限定グッズや描き下ろしビジュアル展示など、その時期ならではの企画が用意されるケースもある
こうした期間限定型の催事は、
「開催中に行かなければ体験できない」という希少性を生み出しやすく、
リピーターや情報感度の高い層の来店動機につながりやすいと考えられます。
常設ではない分、
「今行くと何が開催されているのか」という新鮮さを楽しめる点が、
高島屋大阪店ならではの魅力といえるでしょう。
【大阪・阿倍野】あべのハルカス近鉄本店：サブカル催事の情報発信地
大阪・阿倍野エリアに位置するあべのハルカス近鉄本店でも、
近年はアニメ・ゲーム・キャラクター関連を中心としたサブカル系催事の開催が増えています。
超高層複合施設という立地特性を活かし、
百貨店の催事場や特設スペースを用いた展示と物販を組み合わせた企画が展開されるケースが見られます。
- 催事場や特設会場を活用した展示・販売一体型のイベント
- 他都市や他百貨店で話題になった企画の巡回開催
- ファミリー層や観光客にも配慮した導線・内容構成
特に、巡回型の企画が行われることで、
「大阪市内中心部まで足を運ばなくても体験できる」
という地域的な利便性が評価される場面もあります。
梅田・難波と比べると、常設ショップの集積や入れ替え頻度では異なる特徴を持ちつつも、
サブカル系催事の情報発信地としての役割を担う存在として、
次の選択肢として注目される機会が増えている百貨店といえるでしょう。
【奈良・京都など】地方百貨店へ広がるキャラクター催事
こうしたキャラクター催事の広がりは、
大阪市内の大型百貨店に限られた動きではありません。
近鉄百貨店奈良店をはじめ、京都や周辺エリアの百貨店でも、
人気キャラクターをテーマにした期間限定ショップや展示企画が行われています。
多くの場合、都市部で話題になった催事や企画が、
規模や内容を調整した形で地方百貨店へ巡回する形が取られており、
地域の来店ニーズに合わせた運営がなされていると考えられます。
「大阪まで行かなくても、地元の百貨店で楽しめる」
という点は、ファン層にとっての利便性だけでなく、
地域百貨店にとっても新たな来店動機を生み出す要素となります。
特に、ファミリー層や若年層の来店機会が限られがちな地方百貨店において、
キャラクター催事は「久しぶりに百貨店を訪れるきっかけ」として機能するケースもあります。
このように、キャラクターIPを活用した催事は、
都市部から地方へと波及しながら、
各地域の百貨店が来店機会を創出するための手法のひとつとして定着しつつあると言えるでしょう。
失敗しない！百貨店キャラクターショップ攻略ポイント
百貨店で開催されるキャラクターショップや催事は、
事前準備の有無によって満足度が大きく変わるのが特徴です。
ここでは、初来店でも戸惑いにくい、基本的な攻略ポイントを整理します。
入場制限・整理券情報は事前チェックが基本
人気作品のキャラクターショップでは、
混雑対策として入場制限や整理券配布が行われるケースがあります。
これらの情報は、
- 百貨店公式サイトのイベントページ
- 公式SNS（X・Instagramなど）
- 催事特設ページ
で告知されることが多く、当日現地で初めて知ると入場できない場合もあります。
特に初日・土日・祝日は、
「午前中で整理券配布終了」「時間指定制に切り替え」といった対応が取られることもあるため、
来店前に一度確認しておくことが安心です。
「百貨店限定」と「先行販売」の違いを意識する
キャラクターショップでよく見かける表記に、
「百貨店限定」「先行販売」といった言葉があります。
この2つは意味が異なります。
- 百貨店限定：その会場・期間でしか購入できない商品
- 先行販売：後日、別店舗や通販で販売される可能性がある商品
限定商品を狙っている場合は、
「本当にここでしか買えないのか」「後日入手できるのか」を見極めることが大切です。
焦って購入したものが後日オンラインで販売される、
というケースもあるため、冷静な判断が失敗防止につながります。
ポイントカード・友の会は使い方次第でお得
百貨店ならではのメリットとして、
ポイントカードや友の会制度がキャラクター催事でも使える場合があります。
内容は百貨店ごとに異なりますが、
- ポイント付与対象になる
- 割引は不可でもポイントは貯まる
- 友の会のお買物券が使える
といったケースも見られます。
一方で、
「催事商品はポイント対象外」「一部支払い方法不可」といった例外もあるため、
レジ周辺の案内や事前告知を確認しておくと安心です。
混雑を避ける時間帯と設備の活用
混雑を避けたい場合は、
開店直後または平日の夕方以降が比較的落ち着きやすい傾向があります
（※催事内容や立地によって異なります）。
また、百貨店ならではの設備も上手に活用したいポイントです。
- 同フロアや近くのカフェで時間調整
- レストラン街を利用してピーク時間を避ける
- コインロッカーやクロークで荷物を預ける
グッズ購入後に身軽に館内を回れるため、
結果的に滞在ストレスを減らすことにつながります。
初めてでも怖くない！百貨店キャラショップのQ&A
「普段、デパ地下くらいしか行かない」「百貨店はおしゃれをしていかないと浮きそう……」そんな不安を抱える方のために、よくある質問をまとめました。
よくある質問（Q&A）
Q. 普段着やオタク系ファッションで行っても大丈夫？
A. 問題ありません。
現在の百貨店におけるキャラクター関連フロアや催事は、来場者の年齢層や服装が非常に多様です。
普段着はもちろん、キャラクターTシャツやグッズを身につけた来場者も珍しくありません。
百貨店だからといって、特別にフォーマルな服装を求められることはなく、長時間並んだり館内を歩き回ったりすることを想定した、動きやすい服装のほうが快適といえるでしょう。
Q. 写真撮影はできる？
A. ケースによります。
多くのキャラクター催事では、フォトスポットや展示エリアについては撮影可能とされていることが一般的です。
一方で、
- 商品棚の至近距離撮影
- 価格表示やレジ周辺の撮影
- 他のお客様やスタッフが写り込む撮影
については、禁止または制限されている場合があります。
撮影可否は、
会場内の掲示・スタッフ案内・注意書きに従うのが基本です。
不明な場合は、その場でスタッフに確認すると安心です。
Q. QRコード決済は使える？
A. 多くの百貨店では、主要なQRコード決済やキャッシュレス決済に対応しています。
PayPay、楽天ペイ、d払いなどが利用できるケースも増えています。
ただし、催事や期間限定ショップでは、
- 一部決済方法のみ対応
- 百貨店共通レジではなく、専用レジ対応
- ポイント付与条件が通常売場と異なる
といった例外が発生することもあります。
確実に使いたい決済方法がある場合は、
事前告知やレジ周辺の案内表示を確認しておくと安心です。
まとめ：百貨店は「好き」を楽しむ場所へ進化している
百貨店は今、
「特別な買い物の場所」から
趣味やカルチャーを気軽に楽しめる場所へと姿を変えつつあります。
- 常設ショップが充実する百貨店
- 期間限定企画で楽しませる百貨店
- 快適な設備で安心して過ごせる空間
2025年、百貨店は新しい形の“文化体験の場”として
多くの人に開かれています。
次のお休みには、
進化した百貨店で、自分なりの楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。
公式情報はこちら
お出かけ前にチェック！ 各百貨店の最新イベントカレンダーは、以下の公式サイトリンクからご確認いただけます。
- 大丸梅田店 イベント情報
https://www.daimaru.co.jp/umedamise/event/ - 高島屋大阪店 催し物カレンダー
https://www.takashimaya.co.jp/osaka/event/index.html - あべのハルカス近鉄本店 イベント・催事
https://abenoharukas.d-kintetsu.co.jp/event/1/eventcalendar.html
