70年以上の芸能生活を輝かせ続ける草笛光子、90歳の誕生日を迎えてもなお、主演映画「九十歳。何がめでたい」で新たな挑戦。彼女が語る、年齢を重ねても輝き続ける秘訣とは?
草笛光子の若さの秘訣90歳で燃える心を忘れず、映画初主演へ
草笛光子、90歳の視線で社会を描く。作家佐藤愛子の役で、90歳の視点で社会を風刺したエッセーが原作の映画に挑戦。誕生日は撮影現場で祝われ、その時の心境は「90歳とは人生の終わり、マラソンのゴールテープを切る前の苦しみ」と語る。しかし、その苦しみを乗り越え、90歳で初の単独主演映画「九十歳。何がめでたい」に挑む。その目的は観客に力を与えることではなく、自分自身が何でも面白がること、それが彼女の若さの秘訣だ。
昨年2月には、2冊目のファッションブック「草笛光子 90歳のクローゼット」を出版。ビタミンカラーの黄色やオレンジを取り入れ、シャツワンピースを自由に着こなす草笛さんのファッションは、年齢を超えた自由さと気品を感じさせる。若い頃から体を鍛え、72歳からはパーソナルトレーナーと共に週1回のトレーニングを続けてきた。現在は散歩と自宅の階段の上り下りが日々の運動となっている。
食事には好き嫌いがあり、焼き肉やご飯、果物、チョコレートが好きで、魚や野菜はあまり好みではない。しかし、それが彼女の自由な生き方の一部であり、その自由さが彼女の魅力を引き立てている。5年前には自己変革を遂げ、90歳になっても自分を見せることに恐れはないと語る。ただし、「裸にはなりたくない」と笑う。
2、3年前までは年齢をめぐって不満があった。「もっと舞台に立ちたい」と思っても、周りが年齢を考えてオファーを控えることがあった。しかし、「年齢なんて関係ない。89歳から90歳になっても、老けなきゃいけないなんてことはない」と力強く語る。
やりたい仕事はたくさんあり、その一つがミュージカル。草笛さんは「ラ・マンチャの男」や「シカゴ」の日本初演に参加するなど、日本ミュージカル界の草分け的存在だ。毎年ニューヨークのブロードウェーに見に行き、衝撃を受けた「ラ・マンチャの男」は自ら東宝に持ち込み、版権を買ってもらった。そして、「ラ・マンチャ」や「王様と私」をもう一度やりたいと思っているが、舞台は大変なので今の自分には言えない。しかし、女優として舞台をやっているときの燃える心は忘れてはいけないと語る。
草笛光子の魅力90歳で挑む映画界とその作品群
草笛光子さんが主演を務める映画「九十歳。何がめでたい」は、作家・佐藤愛子さんが日々の暮らしと世の中への怒りや戸惑いを独特のユーモアでつづったベストセラーエッセイ集を原作にしています。
この映画では、90歳を過ぎた作家・佐藤愛子(草笛光子さん)が、新聞やテレビをぼうっと眺める鬱々とした日々を過ごしている様子が描かれています。そんな彼女のもとに、中年の冴えない編集者・吉川(唐沢寿明さん)がエッセイの執筆依頼を持ち込んできます。
草笛光子さんが演じる佐藤愛子さんのエッセイは思いがけず大反響を呼び、彼女の人生は90歳にして大きく変わり始める。この映画は、草笛光子さんのエネルギッシュかつチャーミングな演技と、前田哲監督の巧みな演出によって、観客に笑いと共感の痛快エンターテイメントを提供します。
また、草笛光子さんは他にも「次元大介」(2023年)、「老後の資金がありません!」(2021年)など、数々の映画に出演しています。彼女の演技は、その年齢を超えたエネルギーと魅力で観客を引きつけ続けています。
草笛光子のファッション哲学90歳のクローゼットから学ぶスタイル
草笛光子さんのファッションブック「草笛光子 90歳のクローゼット」は、彼女のユニークで魅力的なファッションスタイルを紹介しています。
この本では、草笛さんの日常生活や出かけるときのファッションが紹介されています。年齢をものともせず、キャップやつなぎも着こなし、その心意気はあっぱれです。
また、タンスの肥やしになりそうなジャケットやスカーフ、アクセサリーの今風の活用法も紹介されています。40年前に買った服や小物でも、今風に着こなすアイデアはすぐ真似ができそうです。
さらに、原節子さんを真似したマント、越路吹雪さんのコート、吾妻徳穂さんのヒョウ柄ドレス、杉村春子さんからもらったネグリジェなど、往年のスターとの思い出の品とここだけの話も披露されています。
草笛さんの日々のたしなみとして、モーニングルーティーンも紹介されています。簡単な体操、おめざ、お参り、新聞を読むなど、草笛流の「整い方」が明らかにされています。
この本は、草笛さんのファッションヒストリーも掲載しており、若い頃の写真や音楽バラエティショー「光子の窓」の裏話、これまで着た思い出の衣装などが公開されています。
草笛さんのファッションブックは、彼女の自由で遊び心あふれるファッションスタイルと、その背後にある哲学を紹介する一冊となっています。