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高所得者年金停止 なぜ?理由と仕組み

記者会見する関西経済連合会の常陰均副会長=16日午後、大阪市(KYODONEWS)
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関西経済連合会は16日、中長期的な税財政の在り方に関する提言を公表した。年金以外の所得が多い高齢者に対し、老齢基礎年金(国民年金)を停止するか支給額を減らすべきだと訴えた。常陰均副会長(三井住友信託銀行特別顧問)は記者会見で「現行の社会保障制度を維持するのは困難で、一部に痛みを伴う改革が必要だ」と指摘した。高所得者年金停止 なぜ?理由と仕組みを解説。

年金減額の基準

日本の年金制度では、60歳以上の高齢者が働き続ける場合、賃金と年金の合計が50万円を超えると年金が減額される仕組みがあります。これは「在職老齢年金」と呼ばれ、老齢厚生年金の受給者が対象です。この制度は、働きながら年金を受け取ることができる一方で、一定の収入を超えると年金額が調整されるため、収入のバランスを考慮する必要があります。

年金の支給停止額は、基本月額と総報酬月額の合計から50万円を引いた額の半分として計算されます。この計算式により、収入が基準を超えた場合にどの程度年金が減額されるかが明確になります。具体的な例として、基本月額が17万円、総報酬月額が36万円の場合、支給停止額は1.5万円となり、受け取れる年金額は15.5万円となります。

2024年度から、在職老齢年金の基準額が48万円から50万円に引き上げられました。この変更は、賃金や物価の変動に対応するためのものであり、より多くの高齢者が年金を受け取れるようにするための措置です。この基準額の引き上げにより、年金の減額対象となる収入の範囲が広がり、働く高齢者にとっては経済的な負担が軽減されることが期待されます。

在職老齢年金の基準額は、賃金や物価の変動に応じて定期的に見直されることがあります。これは、経済状況の変化に対応し、高齢者の生活を安定させるための重要な調整です。基準額の改定は、年金制度の持続可能性を確保しつつ、受給者の生活水準を維持するためのバランスを取るためのものです。

支給停止解除の条件

年金の支給停止は、受給者が自らの判断で申出を行うことで解除することが可能です。この制度は、受給者が自分の経済状況や生活設計に応じて柔軟に年金の受給を調整できるように設けられています。申出を行うことで、年金の支給を一時的に停止し、必要に応じて再開することができます。

支給停止の解除は、申出を行った翌月から適用されます。これは、受給者が申出を行った月の翌月から年金の支給が再開されることを意味します。このタイムラインは、受給者が計画的に年金の受給を再開するための重要な要素となります。

老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ独立して支給停止の申出が可能です。これにより、受給者は自分の状況に応じて、どちらの年金を停止するかを選択することができます。例えば、老齢基礎年金を受け取り続けながら、老齢厚生年金のみを停止することも可能です。

支給停止の解除には、必要な書類を年金事務所に提出する必要があります。具体的には、「老齢・障害・遺族給付支給停止撤回申出書」を提出することで、支給停止の解除手続きが進められます。この書類の提出は、郵送でも可能であり、受給者の利便性を考慮した手続きが整備されています。

📘 年金減額の計算方法

在職老齢年金の減額は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が50万円を超える場合に適用されます。計算式は「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2」です。これにより、支給される年金額が決まります。詳しくはこちらをご覧ください。

💡 基本月額と総報酬月額相当額

基本月額は、加給年金を除いた老齢厚生年金の月額です。総報酬月額相当額は、月々の給与(標準報酬月額)と過去1年間の賞与の合計を12で割った額です。詳細はこちらで確認できます。

🔍 具体例

例えば、年金の基本月額が16万円、総報酬月額が48万円の場合、支給停止月額は(16万円+48万円−50万円)×0.5=7万円となり、年金支給月額は16万円−7万円=9万円となります。詳しい試算はこちらをご覧ください。

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