イオンシネマ津、25年の歴史に幕。三重県津市に長年親しまれてきた映画館「イオンシネマ津」が、2025年6月15日(土)をもって25年間の歴史に幕を下ろしました。多くの人にとって、イオンシネマ津は単なる映画館以上の存在だったのではないでしょうか。初めてのデート、家族との思い出、仲間との語らいの場として、数えきれないほどの感動と記憶を地域の人々に提供してきました。閉館を惜しむ声が多数上がる中、その歴史と果たした役割を振り返り、地域にもたらす影響、そしてこれからの映画体験について考えていきます。
イオンシネマ津の歩み:地域に愛された25年間
イオンシネマ津は、2000年12月にイオン津ショッピングセンターに隣接する形でオープンしました。以来25年間、津市唯一のシネマコンプレックスとして、幅広いジャンルの映画を上映し、地域住民の娯楽の中心的な存在であり続けました。
隣接するイオン津ショッピングセンターが2024年2月に営業を休止した後も、イオンシネマ津は営業を継続し、映画ファンにとっては貴重な場所であり続けました。しかし、閉館が決定してからは、これまでの感謝を込めて、津市にゆかりのある「ご当地映画」の特別上映が行われるなど、地域との繋がりを大切にする姿勢が随所に見られました。
なぜ閉館?その理由と背景

イオンシネマ津が閉館に至った最も大きな理由は、土地の契約満了です。2000年のオープン以来、土地の賃貸契約に基づいて運営されてきましたが、その契約期間が満了したことに伴い、閉館が決定されました。
隣接するイオン津ショッピングセンターが先行して営業を休止していたことも、今回の閉館に少なからず影響を与えたと考えられます。複合商業施設の一部として機能していた映画館にとって、ショッピングセンターの動向は運営に直結する重要な要素でした。
閉館当日の様子と総支配人の言葉
最終日となった2025年6月15日、イオンシネマ津には多くの映画ファンが詰めかけ、最後の瞬間を見届けました。最終上映が終了した後も、ロビーには閉館を惜しむ人々が残り、25年間の思い出に浸る姿が見られました。
閉館に際し、イオンシネマ津の杉本喬総支配人は、集まった人々を前に感謝の言葉を述べました。 「改めて映画の力を実感しました。これからも映画館に足を運んでほしい」 この言葉には、映画が人々に与える感動や喜びへの深い思いと、未来への希望が込められていました。総支配人の言葉に、ロビーからは温かい拍手が送られ、別れを惜しむとともに、映画への変わらぬ愛情が示されました。
イオンシネマ津の閉館が地域にもたらす影響
イオンシネマ津の閉館は、津市および周辺地域の映画環境に大きな変化をもたらします。これまで津市内で手軽に映画を楽しめた場所が一つ減ることで、住民は映画鑑賞のために市外へ足を運ぶ必要が生じるかもしれません。これは、単に映画を観る場所がなくなるだけでなく、地域の娯楽選択肢の減少や、周辺地域の商業施設への人の流れの変化にも繋がりうるでしょう。
イオン津ショッピングセンター跡地を含め、今後の敷地の活用については現時点では明確な情報はありませんが、地域住民の生活に密接に関わる場所であるだけに、その動向が注目されます。
今後の映画体験のために:津市・三重県内の代替映画館情報
イオンシネマ津が閉館した今、津市および周辺地域で映画を楽しむための主な代替施設としては、以下のような映画館があります。
- ユナイテッド・シネマ津(津市)
- 津市にあるもう一つの主要なシネマコンプレックス。多様な作品を上映しています。
- 109シネマズ明和(多気郡明和町)
- 津市からも比較的アクセスしやすい場所にあり、幅広い映画を提供しています。
これらの映画館は、イオンシネマ津の閉館後も、地域の映画ファンにとって重要な役割を担っていくことになります。
まとめ:イオンシネマ津への感謝と映画文化の未来
25年にわたり、地域に多くの感動と記憶を与え続けてくれたイオンシネマ津に心からの感謝を捧げます。その歴史は幕を閉じましたが、映画が持つ力、そして映画館という場所が人々に与える価値は決して色褪せることはありません。
杉本総支配人の言葉にもあったように、「これからも映画館に足を運んでほしい」という願いは、イオンシネマ津が果たしてきた役割の大きさを物語っています。これからは別の場所で、あるいは新たな形で、映画文化が津市、そして三重県全体で引き続き育まれていくことを願ってやみません。
イオンシネマ津での思い出は、これからも私たちの中に生き続けることでしょう。あなたはイオンシネマ津で、どんな映画を観て、どんな思い出を作りましたか?