「最近、スーパーに行くと野菜や日用品がどんどん値上がりしていて、家計のやりくりが大変……」と感じている方も多いのではないでしょうか。
これまで、私たちの生活コストの中で唯一といっていいほど「動かないもの」とされてきたのが家賃でした。いわば、物価高における最後の「聖域」のような存在です。
しかし今、その常識が歴史的な転換期を迎えようとしています。
2026年2月20日に総務省が発表した「1月の消費者物価指数(CPI)」によると、民営家賃の上昇率は全国ベースで前年同月比0.7%に達しました。これはなんと、1998年以来、約28年ぶりの高い伸びとなります。
「東京だけの話でしょ?」と思われるかもしれませんが、実はこの波は着実に全国、そして私たちの住む神奈川エリアなどにも広がる兆しを見せています。
家賃が上がると、更新時の交渉や今後の住まい選びはどう変わるのか。そして、なぜ今これほどまでに家賃が動き出しているのか。
今回は、最新のニュースを紐解きながら、これからの「住まいと街の変化」にどう向き合っていくべきか、Webライターの視点でわかりやすく解説していきます。
結論:家賃は今、歴史的な転換期を迎えています

まず、一番にお伝えしたいことは、「家賃は上がらない」というこれまでの常識が、今まさに過去のものになろうとしているということです。
今回の消費者物価指数(CPI)のデータは、その変化をはっきりと物語っています。
- 全国の民営家賃: 前年同月比0.7%の上昇(約28年ぶりの高水準)
- 東京都区部の民営家賃: 前年同月比2.1%の上昇(約32年ぶりの高水準)
家賃は本来、他のサービスや商品に比べて価格変動が非常に小さく、専門用語で「岩盤(がんばん)品目」と呼ばれるほど安定した存在でした。その岩盤がこれほど大きく動いたという事実は、日本の賃貸市場が、長年の停滞から「上昇フェーズ」へとはっきりと移行したことを示しています。
この波は東京を起点として、今や横浜や川崎といった神奈川県内を含む、全国の主要都市へ着実に広がりを見せています。「更新のたびに、当たり前のように同じ家賃で住み続けられる」という前提が変わりつつある。これこそが、今私たちが真っ先に知っておくべき一番のポイントです。
なぜ「岩盤」と言われた家賃が、ついに動き出したのか?
これまで、家賃は物価が上がってもなかなか動かない「岩盤」のような存在でした。しかし今、その岩盤を突き動かしている要因は、主に3つの大きな変化に集約されます。
①「建てるコスト」と「守るコスト」の急上昇
まず、家を建てるための建築資材や、人件費がここ数年で驚くほど高騰しています。円安の影響も重なり、新築物件の価格は上昇し続けていますよね。 また、建物は建てて終わりではありません。
共用部の清掃やエレベーターの点検、修繕といった「管理・維持コスト」も、人件費の上昇に伴って値上がりしています。大家さん側としても、「今の家賃のままでは、建物を維持していくのが難しい」という局面に来ているのです。
② 都市部への需要集中と「再開発」の加速
筆者のブログでもよく取り上げている「再開発」も、実は家賃上昇の大きなトリガー(引き金)になっています。 街が新しく、便利になれば、当然そこに移り住みたい人が増えます。
需要に対して供給が追いつかないエリアでは、自然と家賃相場が押し上げられます。特に横浜や川崎といった利便性の高いエリアでは、「少しくらい高くても、この街に住みたい」というニーズが強く、それが家賃を下支えしている面があるんですね。
③ 日本経済の「デフレ脱却」と日銀の動き
これが一番大きな背景かもしれません。日本銀行が「物価安定目標2%」を掲げ、利上げに踏み切るなど、日本経済全体が「モノの値段が上がるのが当たり前」というインフレ局面に入りました。
これまでは「家賃を上げたら入居者がいなくなる」と恐れていた大家さんや管理会社も、世の中全体のインフレが進む中で、「周辺相場に合わせて適正な家賃に改定しよう」というスタンスに変わりつつあるのです。
まさに、複数の要因が絡み合って「家賃の常識」を書き換えているのが今の状況です。
私たちの生活にどう影響するのか?
「家賃が上がる」と言われても、実際に自分の生活にどう関わってくるのか、なかなかイメージしにくいですよね。具体的に起こりうる3つのケースを見てみましょう。
ケース1:契約更新時に届く「値上げのお知らせ」
これまで数年、同じ家賃で住み続けてきた方のもとにも、管理会社や大家さんから「周辺相場の上昇と維持管理コストの高騰により、次回の更新から家賃を〇千円値上げさせてほしい」といった通知が届くケースが増えています。
かつては断られるのを恐れて据え置かれることが多かった家賃ですが、現在は「公的な物価指数(CPI)も上がっている」という明確な根拠があるため、大家さん側も強気な交渉に出やすくなっているのです。
ケース2:再開発エリアでの「相場の底上げ」
筆者のブログでも注目している川崎や赤羽、相模大野といった再開発エリアでは、新しい駅ビルや商業施設ができることで街の魅力が一気に高まります。
すると、新しく募集される物件の家賃がぐんと上がるだけでなく、それに引きずられる形で周辺の古いアパートの家賃まで「ここは人気の街だから」と強気な設定に変わっていくことがあります。
利便性が手に入る一方で、住居費の負担も増えるという「街の変化」のジレンマが起きているわけですね。
ケース3:「家を買うか、借り続けるか」の悩み
住宅価格があまりに高騰した結果、「今は高すぎて買えないから、とりあえず賃貸で様子を見よう」という人が増えています。
本来なら家を買うはずだった層が賃貸市場に留まることで、特にファミリー向けの良質な物件の需要がパンパンになり、家賃がさらに押し上げられる……という循環が起きています。
「買うのも高いけれど、借り続けるのも高くなる」という、住まい選びにおいて非常に難しい判断を迫られる場面が増えていくでしょう。
このように、家賃上昇は決してニュースの中だけの話ではなく、私たちの「次の更新」や「次の引越し」に直結する身近な問題なのです。
これからの「家賃上昇時代」とどう向き合うべきか?
ここまで見てきたように、28年ぶりという歴史的な家賃上昇は、一時的な流行ではなく、日本経済の構造が変わろうとしているサインだと言えます。
「家賃はいつまでも変わらない」というこれまでの当たり前を一度リセットし、これからの「家賃上昇時代」を賢く生き抜くために、私たちが意識しておきたいポイントは以下の3点です。
「街の価値」を冷静に見極める:
再開発が進み、街が便利になれば家賃が上がるのは自然な流れです。大切なのは、その値上げが「利便性の向上に見合っているか?」を冷静に判断すること。
筆者のブログで紹介しているような再開発エリア(川崎や赤羽、相模大野など)に住む場合は、常に最新の相場情報をキャッチしておくことが武器になります。
契約更新の「半年〜1年前」から準備を:
もし今の家賃が相場より大幅に低い場合、次の更新時に改定の打診があるかもしれません。慌てないためには、周辺物件の募集家賃を定期的にチェックしておくのが一番です。「上がったらどうしよう」と不安がるのではなく、「今の家賃は妥当かな?」と確認する習慣を持つだけでも、交渉の際の心構えが違ってきます。
「住まいの選択肢」を柔軟に持つ:
家賃が上がる局面では、賃貸だけでなく購入も視野に入れたり、逆に少しエリアを広げて「穴場の街」を探したりといった柔軟性が大切です。横浜エリアでも、急行停車駅の一駅隣を選ぶだけで、コストを抑えつつ高い利便性を維持できるケースはたくさんありますよ。
家賃が動くということは、それだけ「街が動いている」という証拠でもあります。
変化を怖がるのではなく、「自分にとっての住み心地とコストのバランス」を改めて見つめ直す、良いきっかけにしていきましょう。筆者も『街の変化ナビ NEXT』を通じて、皆さんが納得できる住まい選びができるよう、これからもリアルな街の変化を追いかけ続けます!
まとめ:28年ぶりの家賃上昇!全国に広がる値上げの波
最後に、本記事の内容を3行でまとめます。
- 2026年1月の全国民営家賃は、約28年ぶりの高い伸びを記録した。
- 建築コストの高騰や人件費上昇に加え、都市部への需要集中が主な要因。
- 「街の変化」と「相場の変化」をセットで把握し、早めの情報収集を心がけよう。
(免責事項) 本記事は公開された統計データに基づいた一般的な市場解説であり、特定の賃貸契約の成否や不動産投資の収益を保証するものではありません。具体的な賃料交渉や物件購入の判断については、不動産会社や弁護士、税理士等の専門家にご相談ください。

