パリ五輪柔道で銀メダルを獲得した永山竜樹選手と阿部詩選手が、SNSでの誹謗中傷について言及しました。永山選手は、不可解な判定を受けた後も中傷にさらされ、選手たちは人生をかけて競技に取り組んでいることを理解してほしいと訴えました。阿部選手も同様の意見で、周囲の言葉に励まされながら競技に臨んでいたと語りました。
SNSの誹謗中傷が招いた、選手の心の傷
金メダルへの道のり、それは想像を絶する孤独と戦いだった――パリ五輪柔道で銀メダルを獲得した永山竜樹と阿部詩が、SNSでの誹謗中傷に心を痛め、その思いを語った。不可解な判定に苦しみ、SNSでは容赦ない言葉が飛び交う中、二人はどのような想いで日々を過ごしていたのか。スポーツ心理学の専門家も、アスリートが抱える心の闇に警鐘を鳴らす。
記者会見で、SNSの誹謗中傷について問われた永山竜樹選手と阿部詩選手。特に永山選手は、不可解な判定で敗れた後、容赦ない言葉を浴びせられ、心の傷を深くした。人生をかけて戦っている選手たちへの、無責任な言葉の暴力。永山選手は、そんなネットユーザーたちに、選手たちの努力を理解してほしいと訴えた。一方、阿部詩選手は、周囲の言葉に支えられながら、困難を乗り越えようとしていた。しかし、SNSのネガティブな声は、どうしても目に入ってしまうという。二人が口にしたのは、アスリートとしての苦悩と、温かい言葉への切実な願いだった。
SNSの投稿については永山と同意見だとし、「本当に、一人一人が人生をかけて、全てをかけて頑張っていることなので、温かい言葉が人としては絶対にうれしいかなとは思いました」と選手側の心情を述べていた。
精神科医 藤野智哉さんの見解
これまでにもネット上での誹謗中傷、嫌がらせにより多くの方が心を病み命に関わる事態になったニュースを多く見てきたはずなのになぜ皆また同じ過ちを繰り返すのでしょうか。 誰かが失敗をした、というのはその人を一斉に叩いていいという合図ではありません。 ネットが身近になり、つい忘れてしまいがちですが我々が常にポケットに入れているこの機械は指一つで他人の心や人生をぶち壊せてしまうツールだということを常々忘れないようにしてほしいなと思います。
【筆者コメント】
伝統的な武道の精神では、感情を表に出すことは禁じられていました。しかし、現代のスポーツにおいては、感情表現もまた、アスリートの心の内を映し出す重要な要素となっています。
今回の試合で、選手たちが様々な感情を見せたことは、多様化する現代社会を象徴していると言えるでしょう。
感情を抑え込み、冷静さを保つことも大切ですが、心のままに表現することもまた、アスリートとしてのあり方の一つです。
どちらが正しいというのではなく、それぞれの価値観を尊重し、多様な表現を受け入れる社会が求められています。
SNSの誹謗中傷問題を解決するためには、私たちは何ができるでしょうか?